イラン最高指導者が指摘する米国とイスラエルの共犯関係
(last modified Thu, 26 Oct 2023 13:41:48 GMT )
10月 26, 2023 22:41 Asia/Tokyo
  • イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師
    イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、シオニスト政権イスラエルによる攻撃に虐げられながらも立ち向かうパレスチナ・ガザ地区の人々について語り、米英仏独の各首脳が相次いでイスラエルを訪問しているのは、同政権の崩壊を防ぐための画策だとしました。

ハーメネイー師は、アメリカシオニスト政権による犯罪の共犯者であるとし、「アメリカの手は、ガザの女性や子供、殉教者らの血で汚れている。実際、アメリカこそがこの犯罪行為を指揮している」と語りました。

ハーメネイー師のこの発言は、西側諸国がシオニスト政権を全面的に支持し、その崩壊を防ごうとしている事実を再度示すものでした。

イスラエルはいま、今月7日にパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスが起こした「アクサーの嵐」作戦で敗北を喫したことを受け、最新鋭の爆弾やミサイルでガザ地区の住宅地やインフラを攻撃しており、これまでにパレスチナ人6500人以上が殉教、2万人以上が負傷しています。こうした中、イスラエルによる大量虐殺は、欧米諸国による支持や国連の消極姿勢がなければ、ここまで激化することはありませんでした。アメリカのバイデン大統領やブリンケン国務長官、オースティン国務長官が相次いでテルアビブを訪問し、シオニスト政権高官らと会談したことは、過去75年でみても例のないことであり、アメリカが今回のガザ戦争にどれだけ関与しているかを如実に物語っています。

イスラエル紙「イェディオト・アハロノト」はこれについて、「アメリカは、地域における自らの権益を守るため、イスラエルに代わって自らガザ戦争を指揮している」と記しました。

アメリカは、シオニスト政権の発足当初から、その最大の政治的・軍事的支援国でした。そして、米国製の兵器はイスラエルの武器保有において重要な役割を果たしてきました。今回のガザ戦争が始まってからも、アメリカは「ジェラルド・フォード」「アイゼンハワー」の2隻の空母を地中海に派遣し、無人機や偵察機などあらゆる装備をイスラエルに提供しています。

他にも欧米諸国は、国際機関における自らの影響力を利用して、シオニスト政権によるガザ攻撃の停止を阻んでいます。アメリカは、ロシアが提案したガザ停戦に向けた安保理決議案に英仏日とともに反対し、安保理としてシオニスト政権による戦争犯罪を食い止めるのを妨害しました。

その一方、ガザの民間人犠牲者数が増えるに従って、アメリカの国際的責任も増しています。国連の補助機関である国際法委員会は2001年、「国際違法行為に対する国家の責任」条項を採択し、国際法違反を重ねる政府を支援する第三国の政府も問われるようになりました。シオニスト政権がパレスチナ抵抗勢力に対し、大敗北を喫した後、その抑止力が揺らいでいることが明らかになったいま、欧米諸国が同政権への軍事・政治・メディア支援を強化すべく奔走していることは明らかです。

ハーメネイー師はこれについて、「シオニスト政権がパレスチナ戦士から強力な一撃を受けたことで崩壊・消滅に向かっていることは、世界中の悪の勢力の目にも明らかだ。それゆえ(西側諸国は)首脳らが繰り返しシオニスト政権を訪問し、連帯を表明し、武器を提供することで、この崩れかかった政権をなんとか抱き起そうとしているのだ」と述べています。