イラン外相、「安保理はガザの悲劇を終結できていない」
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イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相とフォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相が、パレスチナ・ガザ地区でシオニスト政権イスラエルが行う犯罪について言及し、「国連安全保障理事会は、一部の理事国がイスラエルを支持していることで、戦闘を停止させてこの悲劇を終わらせることができなかった」と述べました。
イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は15日水曜、スイス・ジュネーブでフォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官と会談し、「国連人権理事会は臨時会合を開き、ガザで現在起きている悲劇を終わらせる解決策を得るべく、加盟国の意見交換を行うことを提案する」と述べました。
さらに、イスラエルがガザ攻撃において住宅地に加えて病院も優先すべき標的としていることを指摘しながら、イスラエルがガザでこれまでに行ってきたこと、そしてこれから行うことを記録し残すべく、人権理事会は専門家チームを組織すべきだとしました。
その上で、「侵略行為の終結、封鎖解除、人道援助送付、ガザ住民の強制移住防止に向けて努力することが、全当事者の利益となる」と説明しました。
一方、トゥルク人権高等弁務官は、「ガザ、さらにヨルダン川西岸の人道状況は、非常に憂慮されるものである。戦争を止めるための措置が切に必要とされている」と述べました。

アミールアブドッラーヒヤーン外相は同日、マーティン・グリフィス人道問題担当国連事務次長とも会談し、国連が封鎖中のガザ・エジプト国境であるラファの完全開放に向けて強力な緊急措置を取り、ガザに人道援助を送るよう求めました。
また、カタール・ドーハで同国政府関係者およびパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスと会談を行ったことに触れ、「ハマスは、民間人捕虜に関して(適切に)対処する準備がある。イスラエル政権がガザでの虐殺を止めるなら、パレスチナ抵抗勢力も応戦から手を引くだろう」としました。
そして、「米国側の主張とは裏腹に、ガザに送られた人道援助の量は非常にわずかなものであり、ほぼないも同然である。この件に関しては、国連が早急かつ真剣な措置を取る必要がある」と述べました。