イラン外相、「世界は史上最も不名誉な人道・モラル上の危機に直面」
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が「今や世界は史上最も不名誉な人道・モラル上の危機に瀕している」とし、「子供殺しの政権たるイスラエルガザ地区を初めとしたパレスチナに行う攻撃は、パレスチナ国民自決権の侵害に対し80年もの間沈黙を決め込んできたことの結果である」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は26日月曜、スイス・ジュネーブで行われた第55回国連人権理事会ハイレベル会合において、「イランは、イスラム的・国民的な価値観や信条に基づき、人間の尊厳や人権の尊重・遵守を堅く決意している」と述べています。
また、「誠に遺憾ながら、人権という崇高な目標の実現は、国際舞台においていくつもの重大な課題に直面している。その中で最も早急な対処が必要なのは、現在世界唯一のアパルトヘイト体制であるイスラエルが行う、組織的かつ広範な『人類の虐殺』である」としました。
さらに、「過去140日間で、パレスチナ・ガザ地区やヨルダン川西岸では10万人以上の『人間』が殉教、負傷、または瓦礫の下に埋もれるなどしており、生き残った人々も、飢餓と感染症により死の危険と隣り合わせの状態にある」とし、「大量虐殺や凶悪犯罪が日常茶飯事となるような事態を、許してはならない」と語りました。
加えて、「世界は今日、米国とその一部同盟国によるイスラエル政権への全面的支援を目の当たりにしているが、この支援こそが、大量虐殺に対する真の『共犯』行為なのである。国連人権理事会はイスラエル政権とその支援者に対し、人類に対する犯罪の責任を問う必要がある」と述べました。
続けて、「イスラエル政権による占領行為や殺人が継続・エスカレートした主な理由は、間違いなく、過去80年間にわたりイスラエル政権の指導者たちが処罰されずにきたことにある」と強調し、「パレスチナ人に対し引き起こされた最も重大な国際犯罪の加害者および首謀者に対し、裁判と処罰を行うことは、権限ある国際機関、特にICC国際刑事裁判所の議題として本格的に取り上げられるべきである」としています。
そしてこの他にも、国際テロ問題に関し、「イランはテロ組織との戦いの最前線に立つ、またこの道において多くの殉教者を出している国として、今や世界規模で包括的脅威となっているテロリズムに対する決定的、効果的な対策に向け、国際社会の真剣な決意および各国や国際機関の協力の必要性を、常に強調してきた」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は最後に、「イランの基本政策は常に交流と対話に基づいている」とし、「我が国はこれまでと同様、協力・交流政策をとり、さらに人権分野を中心とした外交政策において鍵となる役割を果たす枢軸として行動することが揺るぎないと約束する」と結びました。