イスラエルの侵略に対抗したイランのミサイル・無人機攻撃の特色
(last modified Sun, 14 Apr 2024 11:33:58 GMT )
4月 14, 2024 20:33 Asia/Tokyo
  • イスラエルの侵略に対抗したイランのミサイル・無人機攻撃の特色
    イスラエルの侵略に対抗したイランのミサイル・無人機攻撃の特色

イランの「誠実な約束」作戦は、最終決戦を想定しての立案ではなく、その軍事能力・技術を総動員せずとも、精密に対象を攻撃するイランのミサイル能力を改めて示すものとなりました。

在シリア・イラン大使館領事部を攻撃したシオニスト政権イスラエルに対し、イランが行った作戦の特色の一部は、次のようなものとなります。

1.イスラエル政権に対するイランの作戦「誠実な約束」のために選ばれた、「ヤー・ラスーロッラー(神の使徒よ)」という暗号は、重要なメッセージを含んでいます。それは、イランが世界の全イスラム共同体を代表して今回の攻撃を実行したということです。

2.イランは、シオニスト政権イスラエルが決めた越えてはならない一線・レッドラインに反し、自国領土から彼らの予想を超える、より広範で大規模な攻撃を実施しました。

3.「誠実な約束」作戦においてイランおよび抵抗の枢軸は、最も攻撃的な軍事作戦を行うこととなりました。そして、イスラエル政権だけでなくその主な同盟者たるアメリカをも、最も軍事的防御が必要となる状況に追い込みました。彼らがこの作戦に対してできたのは、命中するミサイルの数を減らして損害を抑えることだけでした。

 

 

4.今回の作戦では、長年ささやかれてきた、イランに関する最も重要な軍事的・戦略的推測の一つが正しかったことが示されました。それは、イランが自身の敵に向けて西アジア地域のほとんどの国と同時に組織的戦線を張り、軍事作戦を行うことができるというものです。

5.イランの「誠実な約束」作戦は、最終決戦を想定した立案ではなく、その軍事能力・技術は総動員されませんでしたが、精密に対象を攻撃するイランのミサイル能力を改めて示すものとなりました。イランは、軍事的対象をピンポイントで攻撃し、あれだけの量のミサイルが発射されたにもかかわらず、狙いを外すことはありませんでした。それと同時に、イランのミサイルや無人機に対してイスラエル政権の軍事的技術が役に立たないことも示されました。

6.「誠実な約束」作戦については、無人機・ミサイルの発射位置や数・種類、攻撃対象とされた地域、敵側の被害・損失、情報面・作戦面など、多くのことがまだ語られていません。しかし、まずはっきりと分かるのは、イランが世界最大規模の高度な無人機・ミサイル作戦を実施したということです。

7.今回の作戦は、イスラエルの軍事力・技術力が地域におけるアメリカの同盟者の中で最も先進的だとする主張が空想であることを、白日の下にさらしました。「イランの敵は、先端技術を用いた電子戦を展開して、イランのミサイルおよびその発射装置を発動前に無力化することができる」というのは、そのような主張の1つでした。何年も捏造され続けてきた同様の空想的物語は、リストアップして読み返すことも可能です。

8.西アジアは、「誠実な約束」作戦の前後で2つの時代に区切られました。イランは、多くの地域の戦略的計算を崩しましたが、それ以上に重要なことは、イランが今後は新たな計算に基づいて行動し、バランスが変化し始め、相手側もそれを受け入れるしかないというメッセージを伝えたことでした。


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