ヘルクレスの像から水の神の神殿まで:西部ケルマーンシャー州のおすすめ観光名所
イラン西部ケルマーンシャー州は多くの観光名所や憩いの場がありますが、その中心部にはあまり知られていない多くの史跡が存在しています。
中心都市ケルマーンシャー市を筆頭に歴史ある同州は、北はコルデスターン州、南はロレスターン州とイーラーム州、東はハメダーン州に隣接し、西はイラクと陸の国境を共有しています。
パールストゥデイは今回、同州内にある数十件の名所旧跡の一部をご紹介してまいります。
歴史を誇るビーソトゥーン山とヘルクレスの像
ビーソトゥーン山はケルマーンシャー市の北東30キロメートルに位置し、州内でも中心的な輝かしい歴史を誇る地域です。
ビーソトゥーンは数世紀に遡れる史跡の一つで、約1650ヘクタールの敷地内に28以上の古い岩面彫刻があり、そのうちの一部はユネスコ世界遺産に登録されています。
ビーソトゥーン山に残る史跡には、ビーソトゥーン碑文のほかにも「ヘラクレスの像」、「ビーソトゥーン宮殿」、「ファルハード・タラーシュの岩壁」、「イルハン朝時代の隊商宿」、「アッバース大王の隊商宿」などが挙げられます。
石のアーチの中のレリーフ、ターゲボスターン
ターゲボスターン史跡は、現在のケルマーンシャー市北東の郊外にある同名の山の斜面に位置しています。
この区域にはパッと目を引く美しい泉が見られ、その透き通ったさわやかな湧き水は周辺環境の美しさを2倍に引き立たせています。
スイレンの咲き誇る湿原
スイレンの湿原は、ケルマーンシャー市から北西20キロメートルにある同名の村の郊外にあります。この類まれな神の傑作においては、湖底から生えている蓮の花が見られ、写真家にとって絶好の被写体となっています。
ゾロアスター教の水の神・アーナーヒーターの神殿
ゾロアスター教の水の神、アーナーヒーターにちなむとされる神殿は、ケルマーンシャー州キャンガーヴァル市の観光地の一つで、イラン南部のタフテジャムシード(別名ペルセポリス)に次ぐ、イランで2番目に大きい石の建造物として知られています。
国の文化財に指定されているこの史跡は、歴史的文書や史料に基づけば紀元前のアケメネス朝、アルサケス朝、サーサーン朝の3つの時代の文献に記録が見られ、ゾロアスター教の水の女神・アーナーヒーターの賛美のために建てられたとされています。 一方で一部の人は、この場所がサーサーン朝の王ホスロー・パルヴィーズの時代に建造された未完の城だとする説を取っています。
ハージ・シャフバーズハーンの大浴場
イランの文化財リストには、夏の季節およびケルマーンシャー州の観光地の一つとして、ハージ・シャフバーズ・ハーン大浴場が挙げられています。
サファヴィー朝時代末期にイラン北東部マシュハドを支配していたマヌーチェル・ハーン・ビグラル・ベイギーの息子であるハージ・シャフバーズ・ハーンは、ガージャール朝時代初期のケルマーンシャーにおける最も偉大な人物の一人でした。彼はケルマーンシャーの主要地区に 2 つの公衆浴場を建設し、これは当時、人々への大きな奉仕だと考えられていました。
ハシーラーン湿原
ハシーラーン湿原はケルマーンシャー州の千の不思議の 1 つで、同州アルヒヤールハーニー村にあります。
この湿原の名称は、クルド語でヘビの巣を意味する言葉に由来しており、その面積は450ヘクタールにも及びます。またこの湿原には様々なおおきさの約110の小島がありますが、雨季にはそのほとんどが水没してしまいます。
グーリーガルエ洞窟
この洞窟は6500万年の歴史を誇るもので、その年代と大きさから西アジアの歴史的な水洞窟の筆頭に挙げられるようになりました。この洞窟は、はるか昔の石器時代に狩猟者が住んでいた場所であり、その中心部からは古代の遺物が数多く発掘されています。