8月 29, 2024 14:29 Asia/Tokyo
  • イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師とペゼシュキヤーン大統領
    イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師とペゼシュキヤーン大統領

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は27日、ペゼシュキヤーン大統領率いる新政権の閣僚らと初めて会談し、閣僚の布陣が早期に決まったことを評価し、物価対策や各省庁幹部の選任など至急の課題に対して大統領の努力と議会の協力が欠かせないと強調しました。

【ParsTodayイラン】ハーメネイー師はこの会談で、29日までイランの「政府週間」にあたることに際し、5月にヘリ事故で殉教したライースィー前大統領を偲びました。そして、それをうけた大統領選挙の円滑な実施に尽力したすべての関係者に謝意を示し、ペゼシュキヤーン新政権が早期に発足したことを「神の御加護によるもの」としました。

ハーメネイー師は、ペゼシュキヤーン政権の閣僚らに対して「4年の任期はあっという間に過ぎる。しかし、その間にも大きな仕事を達成することはできる。(ガージャール朝期の宰相)アミール・キャビールは3年の任期で大きな成果を残した。ライースィー前大統領もそうだろう」と語りました。

また、イランが持つ潜在可能性としてその地理的優位性のほかに、国民自身の才能に触れ、ハージェ・ナスィーロッディーン・トゥースィーやイブン・スィーナー、モッラー・サドラー、ザカリヤー・ラーズィーなど、歴史上イランが輩出してきた様々な学者らの名前を挙げ、「イラン国民の頭脳の飛躍を示すものであり、今も才能ある若者たちをエリートに育て上げることができる」と語りました。

そして、政府が登用する幹部や専門家らの選定基準について、「誠実で、国内人材・資源の活用を信念としていることが必須」とし、「国外の時代遅れとなった事例に固執する人材は役に立たない」と指摘しました。

また、政府責任者が自ら積極的に地方を訪問することを推奨し、「(地方を訪問すれば)ポピュリズムだ、人気取りだなどと言われるだろうが、気にする必要はない。なぜなら生活者としての人々の声は、文書による報告からでは決して理解できないからだ。地方で人々と語らい、自分の目で見たことにもとづいて決定を下すべきだ」と述べました。

 

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師とペゼシュキヤーン大統領率いる新政権の閣僚らとの会談

 

ハーメネイー師はまた、社会的正義の実現について、「机上の空論ではなく、実際の法律の文面や政府の計画の中に書かれたことであるべきだ。例えば、格差が広がった際に政府に計画の修正を迫る機関のようなものが存在すべきだ」としました。そして、「社会的正義は口だけでは実現せず、実際に現場に赴く意欲が求められる。幸いにもペゼシュキヤーン大統領にはそうした意欲がある。政府関係者の誰一人として社会的正義の実現にむけた責任を放棄することがないよう、取り組むべきだ」と語りました。

一方、SNSやネット上での表現の現状について、ルールが策定されず野放しになっているとし、「法律が必要であれば、それを策定すべきであり、世界中がそうしているように、法律にもとづいて管理すべきだ。実際、フランスは(テレグラムの運営者を)ルールに違反したとして逮捕した」「SNSはしっかりとしたルールがあれば、よい機会になるが、ルールなしでは脅威になる」と述べ、閣僚らに向けて「ルールに欠陥が存在することは許されない。国の行方はあなた方の手にある。職責を果たし、ルールに欠陥が生じないようにすべきだ」と強調しました。

また、人工知能(AI)についても、「我が国の軍事・民生両部門ともこの技術を利用しているが、利用するだけでは利点にならない。その深部についてまで熟知しなければならない」と述べ、「(そのことに)後れをとれば、原子力発電と同じように、すでに技術力を手にしている国による独占を許すことになる。一部の国はAIに関する国際機関の設立を狙っており、他国の参入を許可しないだろう」と語りました。

この日の会談では、ペゼシュキヤーン大統領も発言し、自身の政権が真実と正義に忠誠を誓い、「貧困地域対策」と「光の当たらない人たちへの注目」を政権の最重要目標として掲げました。そして、「国政改革の第一歩は、団結と協調、コーランへの依拠、最高指導者による指導への準拠であり、それにより様々な問題解決と敵との対峙が可能になる」と述べました。

ペゼシュキヤーン大統領はその上で、団結の必要性を説き、「イラン国内やイスラム共同体内で互いに手を取り合うことができれば、シオニスト政権イスラエルの犯罪を支持する欧米は敗北するだろう」と語りました。

 

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     


 

タグ