イラン最高指導者「預言者が残した最大の教訓はイスラム共同体の構築」
(last modified Sun, 22 Sep 2024 06:59:12 GMT )
9月 22, 2024 15:59 Asia/Tokyo
  • イラン最高指導者「預言者が残した最大の教訓はイスラム共同体の構築」
    イラン最高指導者「預言者が残した最大の教訓はイスラム共同体の構築」

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、イスラム共同体(ウンマ)構築やイスラム世界の団結の重要性について、「ウンマを構築することで、ムスリムはその内なる力によりシオニスト政権イスラエルという癌をパレスチナから取り除き、地域に対する米国の強権的な干渉を排除することができる」と語りました。

【ParsTodayイラン】ハーメネイー師はイスラム教の預言者ムハンマドおよび第6代シーア派イマーム・サーディクの生誕日にあたる21日、体制責任者やイラン駐在のイスラム諸国大使、シーア派・スンニ派の団結をテーマにしたシンポジウムの出席者らと面会しました。

ハーメネイー師はこの面会での演説で、「人類史を軍勢に例えるなら、その先頭に立つのが預言者ムハンマドだ」とし、「預言者は生きることについて、完全かつあらゆる側面から教えを残してくれた。その最たるものは、ウンマの構築である」と述べました。

ハーメネイー師はこの中で、預言者ムハンマドがメッカで多神教徒らと対峙していた13年間や、その後マディーナに移った(ヒジュラ)後も困難や飢えに耐え、自己献身を貫いたことがウンマ構築のための素地となったとしました。その上で、「現在イスラム諸国は20億人の巨大人口を抱えているが、これをウンマと呼ぶことはできない。なぜなら、ウンマとは明確な意志を持ってひとつの目標に向かって行動・協調することであるが、現在のムスリムはバラバラになっているからだ」としました。

ハーメネイー師は世界中のムスリムがバラバラになっている原因として、イスラムの敵による覇権や一部のイスラム諸国が米国による支援を必要としていることを挙げ、

「仮に世界中のムスリムたちがバラバラでなかったら、互いの支援や可能性を活用することで、ひとつの共同体をつくることができていただろう。それはどんな大国よりも強く、米国に頼る必要はなくなっていたはずだ」

と述べました。その上で、ウンマ構築に影響を及ぼす要因として、

「イスラム諸国の政府はこの分野(=ウンマ構築)において影響力を発揮することができるが、その意志は弱い。イスラム社会、つまり政治家、ウラマー、学者、大学関係者、思想家、詩人、作家、政治・社会の専門家らには、政府の中にそうした意志を植え付ける義務がある」

と語りました。

ハーメネイー師はまた、シオニスト政権イスラエルがガザ、ヨルダン川西岸、レバノン、シリアなどで恥じることもなく犯罪を続けていることについて、

「(イスラエルが攻撃する)相手は戦闘員の男性ではなく、一般の人々である。彼らはパレスチナで戦闘員を打倒できなかったことから、その怒りの矛先を女性や子供、病人に向けたのだ」

と語り、こうした惨状が続いているのは、「イスラム社会が自らの内なる力を利用できていないからだ」と述べました。そして、イスラム諸国がイスラエルとの経済関係を断絶する必要性を強調し、「イスラム諸国はイスラエルとの政治的関係も全面的に縮小すべきだ。そして、政治・メディア戦を強化し、パレスチナ国民とともにあることを明確に示すべきだ」と述べました。

 


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