イランの複合攻撃がイスラエルの防衛システムを無力化した方法とは?
イランの政治評論家が、「イランがシオニスト政権イスラエルの軍と諜報網の中枢を攻撃する能力を持っていることは、戦況の流れの変化の兆候である」との見解を示しました。
【ParsTodayイラン】イランの戦略研究センター「ネガーヘ・ノウ」の主任を務めるモハンマド・アリー・サヌーバリー氏は、「侵略者の軍事基地を破壊し防空システムを完全に麻痺させたイランのミサイル攻撃のノウハウ」と題した記事において、「『真の約束2』作戦は現代の軍事戦略における決定的な瞬間であり、現在イランとシオニスト政権との間で継続中の紛争において中軸的な出来事である」と述べました。
サヌーバリー氏は、イランがシオニストの安全保障と軍事拠点に対するミサイル攻撃により、特に軍事分野での同政権の覇権を阻止できた方法について、複数の側面から論じています。
イスラエルの主要施設を照準に
「真の約束2」作戦では、イスラエルの主要な軍事施設が広範囲にわたりイランのミサイル攻撃を受けました。シオニスト系新聞マアリブをはじめとしたイスラエルのメディアも、この作戦で甚大な損失を受けた事実を認めています。こうした被害には、南部ネゲブ砂漠にあるネヴァティム空軍基地の大規模な破壊、テルノフ及びハツェリム空軍基地の破壊、および同政権の諜報機関モサド本部への被害などがあります。
イランによる複合攻撃
「真の約束2」作戦はイスラエルの軍事拠点の物理的破壊だけにとどまらず、ミサイル攻撃、サイバー攻撃、心理作戦の組み合わせをはじめとした、現代式ハイブリッド戦争の高度な複雑性と調整を示した形となりました。
イスラエルの防衛インフラに対するサイバー攻撃
ミサイル迎撃を目的に設計されたイスラエルの「アイアン・ドーム」は、イランの複数のハッカーによる攻撃前および攻撃中に機能を失いました。 これらのハッカーは、以前ラファエル社(同システム設計を担当した企業の1つ)へハッキングした際に得られたデータを使用していました。 イスラエルの防衛インフラ、特にアイアン・ドームとミサイル・ダビデ・スリング・プロジェクトに関与していた西側企業ファイア・アイへの攻撃により、イスラエルの防衛システムの機能不全はさらに悪化しました。イスラエルのレーダーとミサイル発射装置が無力化したため、イランのミサイルの90%以上が意図した標的に命中したのです。
対シオニスト心理戦争を開始
イランは、占領地へのミサイル攻撃を目的にイスラエルのSMSシステムをハッキングし、占領地の住民にメッセージを発信して、彼らに「攻撃は終わったのでシェルターから出られる」と錯覚させました。この心理戦戦術により侵略者は益々混乱と恐怖に陥り、シオニスト占領軍内部の措置行動がかく乱された格好となりました。
イランと抵抗枢軸の間の連携した同時作戦の実施
占領地テルアビブ中心部に対するイランのミサイル攻撃と同時に、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスの部隊はテルアビブの路面電車駅で地上作戦を実施しました。この地上攻撃は抵抗勢力の全体戦略の重要な部分であり、現代の戦争がもはや1つの領域に限定されず、戦略的目標の達成のために連携した電子、空域、地上要素の組み合わせであることを証明したのです。
サヌーバリー氏は「真の約束2」作戦がイラン・イスラエル間で進行中の紛争の決定的瞬間として認知されていると強調し、「イスラエル政権がこの攻撃に対処しようとしている一方で、世界規模の軍事戦略にとってより敷衍したメッセージがある。それは同政権はもはや安泰ではなく、イラン、ハマス、そしてレバノンのヒズボッラーが西側諸国とイスラエルのすべての神話を打ち砕き、そして将来の対決は彼らにとってさらに破壊的で血なまぐさいものになるだろうということである」と論じています。