なぜトルコがイランを妨害するのか? 波紋呼ぶトルコ国営放送会長の発言
トルコ国営放送(TRT)のソバチ会長が、イランへの妨害を目的としてペルシア語放送を開始する意向を示したことについて、一部のトルコの政治関係者らは「トルコとイスラエルの協力の一環」とみています。
【ParsToday西アジア】ソバチ氏は10日、北西部ブルサの大学の開校式に出席し、ペルシア語を含む41カ国語による外国語放送を今年末までにスタートさせる計画を明かし、「我々はイランを妨害する必要がある」などと語り、物議を醸しました。
ソバチ氏の発言には、トルコの著名人らも反応を示しました。
右派政党「ザファル(勝利)」のオズダク党首は、「(与党の)公正発展党はアメリカやイスラエルとともにイランに対峙することを決めたようだ」と述べました。
中道右派「祖国党」のペリンチェク党首も「このような発言ができるのはアメリカやイスラエルの支持者だけだ。イランを妨害することはアメリカやイスラエルを喜ばせることだ」としました。
一方、イランの専門家であるエフサーン・モヴァッヘディヤーン氏はイランの外交誌に寄稿し、「イスラエルに対する犯罪にイスラム世界が立ち向かわなければならない時に、このような発言ができるのは驚くべきことだ。トルコの一公務員が大統領の許可・調整もなしにこのようなあからさまな脅迫を隣国に対してできるのだろうか?」と記しました。
反イラン的なコンテンツを放送するペルシア語メディアはイスラエルやサウジアラビア資本によりすでに複数が活動しており、今回のトルコ国営放送会長の発言もそれに連なるものと言えます。
イラン国営放送国際部のアフマド・ノウルーズィー部長は自身のXに、ソバチ氏の発言について「我々はイスラエルによるガザやレバノンでのジェノサイドに関する報道に注力しており、このような不用意な失言に惑わされることはないが、適切な対抗措置をとる権利は有している。イラン国営放送は、トルコ政府がソバチ氏の発言を適切に非難し、説明責任を果たすことを希望している」と投稿しました。