イランの放射線研究者の新たな業績:悪性リンパ腫の診断用医薬品生産における米の独占を打破
11月 09, 2024 19:44 Asia/Tokyo
イランのテクノロジー企業の研究者らが、悪性リンパ腫に対する放射性医薬品の開発に成功し、医師によるがん性の正確な診断が可能となりました。
【ParsTodayイラン】イランのテクノロジー企業の研究者らはこのほど、放射性医薬品テクネチウム99の有効物質の生産のための製剤を開発し、これにより悪性リンパ腫のがん性の正確な診断が可能となりました。従来までは、この放射性医薬品の生産はアメリカが独占していました。
テクネチウム99は世界で最も頻用されている医療用放射性同位元素で、非常に高価であり、その製造技術は米国企業のみが保有していました。しかし、現在ではその製造技術がイランで国産化されており、今後1年半後には正式に市場に供給される見込みです。
この製品の粒子サイズは10ナノメートル未満で、リンパ系内を移動する能力があります。この製品はイラン原子力機関でキットに変換され、その後各地の医療機関の放射線科で患者に直接(腫瘍内)または皮下(リンパ部分)に注射されます。
この有効物質はリンパ系内で動き始め、それによりスキャン画像においてがん細胞受容体のある領域が特定されることで、外科医は腫瘍やがん細胞が絡むリンパ節を特定し、その部分のみを選択、除去できることになります。
現在、外科医の多くはがんの転移を防ぐため手術中に主要な腫瘍とともにリンパ系の重要な部分を切除しており、これは患者に取り返しのつかない結果をもたらしています。しかし、今回のこの製剤の製造により、患者はこうした副作用を起こさなくなることが見込まれます。
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