鉄の盾を貫通したイランのミサイルの特徴とは?
(last modified Tue, 17 Jun 2025 18:50:20 GMT )
6月 18, 2025 03:50 Asia/Tokyo
  • イラン革命防衛隊航空宇宙軍が運用する固体燃料中距離ミサイル・ハイバルシェキャン
    イラン革命防衛隊航空宇宙軍が運用する固体燃料中距離ミサイル・ハイバルシェキャン

IRGCイラン・イスラム革命防衛隊が「真の約束3」作戦の続編として、シオニスト政権イスラエル占領地の奥深くに対し広範囲かつ正確なピンポイント・ミサイル攻撃を実施し、イスラエルの安全保障体制をかく乱し、同政権を驚愕と不安に陥れました。

【ParsTodayイラン】IRGCの航空宇宙部隊は今月14日夜、「おお、アリー・イブン・アビー・ターリブ(預言者の叔父アブーターリブの息子アリー)よ」という暗号を合図に、「真の約束3」作戦の新段階を実行し、イスラエル側にある戦略目標に対し広範囲かつ共同の攻撃を実施しました。

この作戦は、弾道ミサイルと攻撃用無人機の同時参加を前提に計画・実行されたもので、イランの利益に対するイスラエル政権の侵略と破壊活動に対しての直接的な反撃でした。

ある情報筋がファールス通信に語った内容によりますと、この作戦ではハイファ、テルアビブなど占領地北部地域の重要地点を狙うため、「エマード」、「ガドル」、「ハイバルシェキャン」の各弾道ミサイルが使用されました。

この攻撃でイスラエルの空軍用給油施設、製油所、エネルギー供給センターが正確にピンポイント攻撃されたことは、敵の防衛システムに深く侵入できるこれらのミサイルの精度と威力を証明した形となっています。

この作戦においては、イランの最も高精度な長距離兵器の一つである弾道ミサイル「エマード」が重要な役割を果たしました。射程約2000キロメートルを誇るこのミサイルは着弾瞬間まで誘導可能であり、ガドルミサイルをベースに開発されたもので、機動翼によって制御可能な着脱式弾頭を備えています。このミサイルは高い精度を持つことから、占領地北部ハイファの主要な標的に見事に命中しました。

また、射程距離1350~1950キロメートルの3種類のモデルに分けて設計されているミサイル「ガドル」も、その機能を改めて実証しました。高度な慣性誘導システムと液体燃料を使用するこの1シリーズのミサイルは、敵の防衛拠点や兵站インフラの破壊において重要な役割を果たしています。

さらに、2022年初めに初公開された先進的なミサイル「ハイバルシェキャン」の使用により、今月14日夜の作戦は新たな局面を迎えました。このミサイルは、特別に設計された弾頭を備え、再突入時の機動性が高く、「ダビデスリング」や「パトリオット」といった先進防衛システムを回避するよう特別に設計されています。

またその小型化バージョンは、カモフラージュされた民間プラットフォームを含むさまざまな発射装置からの発射および運搬が可能であることから、運用能力が向上しています。

イスラエルメディアによりますと、作戦中に少なくとも1人のシオニストが死亡したほか、数十人が負傷しました。占領地北部の都市から公開された映像からは大規模な爆発、ハイファの石油施設の火災、そして軍事・経済インフラへの甚大な被害が見て取れます。

シオニストらは、イランによる最近の攻撃がその激しさ、正確さ、連携性において前例がなく、イスラエル政権の防衛が効果的に対抗できなかった事実を認めています。

一方、完全警戒態勢で配備されたイランの防衛システムはイスラエル軍の反撃に応じて、国内各地で多数の巡航ミサイル、攻撃用無人機、超小型飛翔体を首尾よく迎撃し、破壊しました。

イラン対空防衛本部によりますと、紛争の最初の数時間だけで巡航ミサイル3発、無人機10機、敵の小型日状態数十機が破壊されたということです。

イラン軍当局が発表したメッセージによれば、イスラエルの侵略が続く場合は今後の報復作戦がより広範かつ厳しいものになるだろうということです。「真の約束3」作戦は、イランの抑止戦略における転換点とみなされています。

精密で多様なミサイルを自爆無人機や電子戦と並行して使用することは、地域の脅威に対応するイラン軍の成熟度と完全な準備態勢を裏付けています。

この作戦で使用された兵器システムは最新鋭の技術を誇るとともに、イランが敵のあらゆる侵略に対し重大な費用を払う能力がある、という戦略的なメッセージも伝えるものです。

 

 


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