安全な飲料水確保におけるイランの高い機能と水不足危機への対応
https://parstoday.ir/ja/news/iran-i128932
世界銀行は、安全な飲料水の調達においてイランが世界平均を上回っていることを明らかにしました。
(last modified 2025-08-19T07:25:20+00:00 )
8月 19, 2025 12:13 Asia/Tokyo
  • テヘランの北東10kmに位置するラトヤーン・ダム
    テヘランの北東10kmに位置するラトヤーン・ダム

世界銀行は、安全な飲料水の調達においてイランが世界平均を上回っていることを明らかにしました。

水資源管理は、世界で最も重大な環境課題の一つとなっています。気候変動、人口増加、そして工業化により水資源には益々圧迫され、世界各地で水不足が深刻な問題となっています。複数の国際機関のデータによれば、2050年までに世界人口の50%以上が深刻な水不足に直面すると予測されています。

【Pars Today国際】世界銀行の報告書は、イランは気候面での制約がありながらも安全な飲料水の調達に関して世界平均を上回っていることを示しています。

この報告書によりますと、イランの都市部人口の99.9%が安全な飲料水が入手できる状態にあるのに対し、世界平均は87%です。また、イランの農村部でも87%が安全な飲料水を調達できているのに対し、世界平均は62%に留まっています。多くの地域諸国では、安全な水資源の調達率がはるかに低い中で、イランがこのような高い水準が達していることは注目に値します。例えば、アフガニスタンでは農村部におけるこの指標は30%未満であり、またイラクでは多くの地域で水不足や水質汚染が深刻化しており、水道水へのアクセスがそれほど整備されていません。
 

最近、イランも水不足に直面していますが、では同国では水不足を補うためにどのような解決策が考案されているのでしょうか?

淡水化能力の増強

イランでも、特に南部沿岸地域では、淡水化プラントの設置容量が増加しています。近年、イラン・エネルギー省は、水供給量と水質の向上を目指し、国内の複数の州で1日あたり55万1832立方メートルの淡水化能力を活用するなど、様々な対策を講じています。
 

飲料水と非飲料水の分離

これを実現する実用的な方法の一つは、ボトル入り飲料水の消費を大規模に促進することです。これは、人々が毎日必要とする飲料水の量(通常は世帯全体の消費量よりもはるかに少ない)を、汚染リスクがはるかに低く、品質管理が容易な水源から供給することを意味します。
 

都市の飲料水配水網のスマート化

イランにおける水不足対策として最も重要な方法の一つは、配水網のスマート化です。現在、北東部マシュハドや南部ペルシャ湾に浮かぶゲシュム島などの都市で実施されているパイロットプロジェクトでは、圧力センサーとスマート圧力逃し弁の設置および、制御センターへのデータ送信により、水道網の圧力バランスの調整が可能となっています。その結果、この方法により、利用者へのサービス品質を低下させることなく、水消費量を25%、ポンプのエネルギー消費量を30%削減できることが明らかになりました。
 

スマートメーターの設置

イランでは、「スマートメーター」も水管理の重要なツールとして提案されています。これらのメーターにより、リアルタイムの計測、異常消費アラート、内部漏水検知、通知システムへの接続が可能になります。その結果、現場に出向くことなく、不正消費、過剰消費、内部の浪費の特定が可能になります。
 

水クーラーの再設計と、重要な箇所の省エネ技術への置き換え

サーモスタットを設置し、スマートなスケジュールを設定するだけで、快適な温度環境を可視的に損なうことなく、1日あたりの水の消費量を最大30%削減できます。近年、イランの知識ベース集約型企業は、スマートで省エネ性に優れ、アップグレード可能な水クーラーを開発しており、既存のこの種のクーラーの全部交換なしにアップグレードすることが可能です。
 

井戸からの消費と取水量の管理

イラン・エネルギー省と上下水道公社は、既存の井戸からの消費と取水を厳格に管理し、水位が急激に低下している地域には厳しい制限を課すよう命じられています。地下水資源ダムなどの地表水源からの水移送や、テヘランなどの都市における給水網の改善は、地下水資源への圧迫を軽減するため実施されています。
 

農業部門における灌漑の改善

イラン農業省は、農業における水の浪費を防ぐため、点滴灌漑から地下灌漑など、最新の灌漑方法を活用しています。
 

 


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