地域的ハブ拠点としてのイラン:アジアにおける観光・鉄道外交の飛躍
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イランは戦略上の情勢変化の狭間で、500万トンの国際貨物輸送記録を樹立し鉄道路線を拡大したことにより、今やアジア・ヨーロッパ貿易の中心地と化しています。
(last modified 2025-10-01T05:15:07+00:00 )
9月 30, 2025 19:30 Asia/Tokyo
  • イランは地域のハブ拠点;アジアでの観光・鉄道外交が飛躍
    イランは地域のハブ拠点;アジアでの観光・鉄道外交が飛躍

イランは戦略上の情勢変化の狭間で、500万トンの国際貨物輸送記録を樹立し鉄道路線を拡大したことにより、今やアジア・ヨーロッパ貿易の中心地と化しています。

CIS独立国家共同体(旧ソ連諸国)との協力という枠組みでの積極的な外交に重点を置きながら達成された鉄道輸送の発展およびトランジット輸送、輸出、輸入を含む500万トンの国際鉄道貨物輸送の実績は、イランがシルクロードにおける歴史的地位を取り戻すための新たな地図を描き出しています。

鉄道外交:トランジット輸送の実績から国際回廊との連携まで

複数の公式報告によりますと、イランの鉄道は2024年度に500万トンの国際貨物輸送記録を樹立し、南北回廊および東西回廊において独自の役割を確立しました。この成果を説明する中で、イラン鉄道のジャッバールアリー・ザーケリー総支配人は、この発展の鍵となったのは「鉄道外交の成功」だったと述べています。また、中央アジア・ウズベキスタン鉄道との覚書締結によりイランの貨物列車がCIS諸国に乗り入れ可能になったことに言及し、「CIS諸国との鉄道交流におけるイランの立場は著しく向上した」とコメントしました。

ザーケリー総支配人はまた、中国の習近平国家主席が「イランを経由して欧州に至る中国の鉄道接続」を歓迎したことを明らかにし、「イラン領内を通過する一帯一路の南ルートの開設という提案は、鉄道ベースのトランジット輸送の目覚ましい発展の吉報である」と語っています。

カスピ海の玄関口:アンザリー=アクタウ間ルートを黄金回廊に

イラン北部では、鉄道整備と海上ルートの強化が同時に進んでいます。イラン北部ギーラーン州のハーディ・ハッグシェナース知事はイラン駐在カザフスタン大使との会談で、ギーラーン州の戦略的な立地条件に言及し、同州バンダルアンザリー~カザフスタン・アクタウ間ルートを「中央アジア貿易の機会」へと転換すると発表しました。ハッグシェナース知事はさらに「鉄道と海上輸送を組み合わせることで、輸送にかかるコストと時間が削減される。貨物はトルコから鉄道でイランに入り、バンダルアンザリーで荷降ろしされ、その後海路を通じて中央アジアへ送られる」と述べています。

一方、駐イラン・カザフスタン大使もこの可能性を確認し、ギーラーン州を「中央アジアとヨーロッパをつなぐイランのトランジット中継地点」だとしました。

観光外交:イランとマレーシアの協力強化

イラン伝統工芸・文化遺産・観光大臣顧問のルーズベ・キャルドウーニー氏はマレーシア当局者との会談において、観光協力の強化と二国間ビザの有効期間を30日に延長すると発表しました。また、マレーシアを訪れるイラン人観光客が3万人増加したことに触れ、イラン代表がマレーシアの国際旅行博Matta Fairに参加する用意があり、またテヘランでも同様の博覧会を開催する意向を示しています。

経済と文化の連携:新たな地域協力モデル

イランは、運輸・交通が経済協力の主要なプラットフォームとして、貿易が協力の原動力として、そして文化と観光が関係強化のソフトウェアとして機能する新たな地域協力モデルを実施しています。これらの施策は、イランがその独自の地理的条件と積極的な外交活動を活かし、アジアの通信・経済の中心地となりつつあることを示しています。多面的な回廊という形でのシルクロードの復活は、イラン経済を変革させるとともに、地域的均衡に新たなバランスをもたらすと思われます。

 

 


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