イラン原子力庁長官:「英独仏は国際法に矛先向ける」
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イランのモハンマド・エスラーミー副大統領兼原子力庁長官
エスラーミー・イラン副大統領兼原子力庁長官が、IAEA国際原子力機関理事会における新たな対イラン決議の採択を狙った米英独仏の工作を批判し、「こうしたアプローチの繰り返しは一方的主義と国際機関の濫用が相変わらず続いている現実を物語るものだ」と強調しました。
エスラーミー長官は16日日曜、「侵略、攻撃、防衛下における国際法」をテーマにテヘランで開催された国際会議の傍ら、いわゆる欧州トロイカ・英独仏が次回のIAEA理事会で新たな対イラン決議を採択に持ち込もうと画策していることに言及し、「この動きはこれまでと同様の西側諸国による政治的、一方的な圧力行為の続行である」と語っています。
また「誠に遺憾ながら、米英独仏はイランに対し非現実的かつ挑発的な主張を繰り返し続けており、今度は政治的決議という形で再度提起しようとしている」述べました。
さらに、「去る6月の米国とシオニスト政権イスラエルによるイラン核施設への攻撃は、IAEAの全面的かつ継続的な監視下にある施設が標的とされた初めてのケースであり、歴史上前例がない」とし、「IAEA、IAEA理事会、そして国連安保理がこの攻撃を非難していないことは、国際法および国際機関の信頼性に対する明らかな打撃である」と強調しています。
そして、国際体制がはらむ二重基準を批判し、「一部の国はIAEA内における自らの位置づけを悪用し『弱肉強食』の領域を拡大しているが、IAEAの任務は各国の平和的原子力技術へのアクセスを促進・支援することであり、政治的圧力への追従ではない」と語りました。
加えて、新たな決議の発出というシナリオに関しても、「これらの措置は主に心理作戦であり、根拠のない同じ非難の繰り返しでしかない。その一方で、イラン側はJCPOA包括的共同行動計画(通称;対イラン核合意)に基づく全ての義務を履行しており、一切の規則違反を犯していない」と説明しています。
エスラーミー長官によりますと、安保理決議2231が期限満了となった場合、イランは保障措置査察のみを受け入れることになり、イラン側としてIAEAが自身の監視下にある施設への攻撃に関して明確な立場を取ることを期待しています。
最後にエスラーミー長官は、「イランとして法的路線およびIAEAとの協力は継続するが、自らの公然たる権利から後退することはない」と強調しました。

