イランの観光の魅力
イラン南部・ゲシュム島のマングローブの林
マングローブの高さは3メートルから6メートルで、明るい緑色の葉を持っています。
マングローブは塩水域の植物で、干潟から河口付近に生息しています。この木の皮のろ過機能により、海水を脱塩化します。マングローブは、実際、海における 自然の淡水化プラントのようなものなのです。このマングローブの森は、ペルシャ湾に浮かぶゲシュム島とイラン南部・ホルモズガーン州の間の海峡 に位置し、その広さは200平方キロメートルに及びます。この森は自然環境により、熱帯地域からの渡り鳥にとって安全な生息地となっています。
この林は数百万年の間に、塩分を含む海水や、岸辺の潮に適応してきました。基本的に、マングローブは摂氏5度以下の寒さでは生息することができません。一方、塩分濃度2%から3.2%の水域が、マングローブが生息するのに適した場所だとされています。マングローブは、最も耐久性の強い植物の1つであり、その根は基本的に短く、深いところに届かず、縦横に伸びる細い根が上方に広がっており、平均で30センチが表面に出ています。空気に触れているこの根は次第に、木の周りを取り囲んでいきます。そのため、マングローブは汽水域でも生息できるのです。これらの根は、周囲の塩分を削減し、これによりマングローブが極めて濃い塩水からも栄養分を補給することができるようになります。マングローブの林は、1日に2回海水中に沈みます。また、潮が満ちるときは、マングローブの森の周りに多くの魚が集まります。
ゲシュム島の陸路からこの林にアクセスするのは不可能で、水路のみになります。この林を見るためには、経験豊かな船乗りが同行する必要があります。なぜなら彼らは小さな水路と、多くのマングローブの林を知っているからです。この林の観光は、自然を愛する人々の記憶に残るものとなるでしょう。