2月 16, 2016 20:41 Asia/Tokyo
  • イラン外相とEU上級代表の協議、包括的協力

IRIBアミーンザーデ解説員 使節団を率い、ベルギーの首都ブリュッセルを訪問しているイランのザリーフ外務大臣は、EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表、及び、ベルギーの政府高官と会談を行いました。この訪問は、ベルギーとEUの関係者の招待によって行われています。

イランは、核合意の実施後、EUと重要な話し合いを開始しています。これらの話し合いは、モゲリーニ上級代表のイラン訪問、さまざまな分野の双方の協力の強化によって今後増えていくことでしょう。

ザリーフ外相がEUを正式に訪問するのは、これが初めてのことであり、核協議の成功と包括的共同行動計画の実施の結果だと言えます。そのため、ザリーフ外相のブリュッセル訪問では、EU高官との間で、包括的共同行動計画の正確な実施が追求されました。モゲリーニ上級代表は、この計画の合同委員会の責任者を務めています。アメリカが、長年に渡ってイランに対して違法な制裁を行使していることに注目し、これらの制裁の完全な解除は、EUとイランが真剣に追求している問題となっています。現在、話し合いはイランとEUの関係に集中しています。こうした協力は、包括的共同行動計画だけに限られません。

モゲリーニ上級代表は、ザリーフ外相との記者会見で、シリアやイエメンをはじめとする地域の危機の解決におけるEUの役割に期待し、「政治的な利益や人権面での責務により、これらの危機の解決を促す必要がある」と語りました。また、「EUは、この問題において重要な役割を担っていないが、危機の解決策を探るための国連の努力を支援する」としました。

モゲリーニ上級代表は、数日前のミュンヘン安全保障会議でイラン外相が行った演説に触れ、「我々は、地域の協力により、拡大しつつある一部の緊張を解決できると考えている」と述べました。

モゲリーニ上級代表は、困難な問題の解決法は難しく、包括的共同行動計画のように、双方が勝者となる解決策や協力によって前進することができるとしています。このような発言は、イランとEUの新たな関係の時代が始まったことを示しています。

この新たな時代の最も重要な特徴は、過去の問題を乗り越え、未来を見つめることです。ザリーフ外相は、ブリュッセルで、欧州議会の対イラン関係を担当するレヴァンドフスキ氏と会談した際にも、その点に触れ、「イラン政府は、あらゆる分野でのEUとの関係拡大を求めている」と語りました。レヴァンドフスキ氏も、地域問題の解決におけるイランの役割は重要なものだとしました。

イランとEUの協議は、現在、包括的で高レベルの協議と見なされています。政治評論家によれば、このレベルの話し合いは、政治問題における双方の見解が近いことに注目すると、政治的な同調を拡大することになるでしょう。

現在、イランとEUの関係は、過去に戻ろうとしています。ただし、当時とは異なり、イランとヨーロッパは、この新たな時代において、核問題における西側の根拠のない世論操作からは離れています。

イランは、この協力と地域問題の解決策のための第一歩は、中東の最も重要な問題であるパレスチナ問題に対して、EUが立場を透明にすることだと考えています。イランとEUは、すべての問題において、それほど近い見解を持っていないかもしれません。しかし、重要な共通の土台は存在します。このような共通性は、共通の脅威や問題の解決法を見出すための建設的な話し合いにつなげることができるでしょう。ザリーフ外相のブリュッセル訪問も、そのようなメッセージを含んでいるのです。

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