一日一冊、本の紹介(7)
(last modified Sat, 03 Dec 2016 07:00:08 GMT )
12月 03, 2016 16:00 Asia/Tokyo
  • 一日一冊、本の紹介(7)

イランにおける本の装丁は古い歴史を有しています。      

およそ1000年前から、書籍はシンプルな模様や幾何学模様などで装飾されるようになりました。イランの本の外装において最もよく知られている方法は、デザインを焼き付ける方法、デザインの型を皮などにたたきつける方法、表面に油を塗ってつやを出す方法の3つがあります。

「イランにおける書道と装丁」という本は、書道と本の装丁という伝統芸術の研究者であるゴラームレザー・ラーフペイマーの最新の研究報告です。この本は最近出版されました。全部で16章あり、書道の道具、紙の種類、書籍の大きさ、装丁、書道と絵画、書道の本の修復に関する貴重な情報が記されています。

この本によれば、イスラム芸術の繁栄は、10世紀のブワイフ朝時代に始まり、この時代をあらゆる芸術の変化の始まりと捉えることができます。コーランをはじめとする書籍の価値に注目し、イスラム教徒の芸術家たちは当初から、外装やページの装飾に注目し、その縁やページ、各章の頭などに、唐草模様や幾何学模様など、さまざまな装飾を施していました。後にこの芸術は彩飾芸術と呼ばれ、宗教、科学、文化、歴史に関する書籍や詩集をできるだけ美しく装飾するために用いられました。この芸術の巨匠たちは、本のあらゆる箇所にそれを用い、イランの文学や宗教書のページを美しく装飾しようと努めています。彩飾芸術では、本のページが植物のつるや葉を用いた唐草模様で縁取りされています。

この他、「イランにおける書道と装丁」という本の重要な特徴は、イラン芸術に関心のある人々に、やさしい言葉でその技術に関する情報を提供していることです。イスラム世界における、紙、インク、筆などの筆記用具、書道、装丁、本の内外の装飾について説明されています。この本は全部で365ページあります。