ペルシャ湾協力会議、反イランの政策の継続
(last modified Sun, 11 Dec 2016 10:39:42 GMT )
12月 11, 2016 19:39 Asia/Tokyo
  • ペルシャ湾協力会議、反イランの政策の継続

イギリス政府とペルシャ湾協力会議が、最近のバーレーン・マナーマの会議で、反イランの軍事協力と戦略的な計画に関して決定が下されたことを明らかにしました。

IRIBアミーンザーデ解説員

イギリス、アメリカ、その他の西側諸国による中東アラブ諸国との協力、そしてペルシャ湾における軍事駐留は、目新しい問題ではありません。しかし、なぜマナーマの会議が、地域やイギリスのメディアの注目を集めているのでしょうか?

マナーマの会議の最終声明を見ると、ある程度その答えが分かります。この声明では、イランが地域諸国の内政に干渉していると非難され、明らかに、イラン恐怖症の継続として示し合わせた政策の中で、イランを地域の脅威であるかのように見せようとしています。

ペルシャ湾岸協力会議は、何年も前から、声明の中で、イランに対する根拠のない主張を繰り返しています。現在も、同じような流れが繰り返されていますが、ただ異なるのは、イギリスが、メイ首相による反イランの発言によって、この声明の支持に加わっていることです。

明らかに、イギリスの目的は、ペルシャ湾岸の軍事駐留を復活させるための土台作りにあります。とはいえイギリスは、ペルシャ湾岸地域を200年近くに渡って植民地支配してきました。アラブ諸国の首長が根拠のない領有権を主張し、領有権問題で対立している大部分は、イギリスの植民地時代の遺産であり、自分たちの過去を忘れた一部の地域諸国の偽りのアイデンティティ作りによるものです。この中で、サウジアラビアの役割は少し異なっているようです。彼らは独自の目的を念頭に入れています。その目的とは、地域の他の国々を支配するための破壊的な競争によるものです。このようなアプローチにより、サウジアラビアは地域におけるイランの役割を、常に競争という角度から見てきました。そのことはイギリス外相も認めており、メイ首相とは少し異なる立場で、地域におけるサウジアラビアの行動を批判しています。イギリスの新聞ガーディアンは、イギリス外相が、サウジアラビアの中東政策を強く批判している映像を発表しました。とはいえ、この批判は、サウジアラビアへの支持を伴うものでした。

メイ首相は、ペルシャ湾岸協力会議の会議に参加し、彼らに軍事協力や防衛への投資による安全保障強化に向けた協力を提案した最初のイギリスの首脳です。この提案の中では、サウジアラビアが、アメリカからヨーロッパ寄りになっているのが明らかです。スペイン発行の新聞、エルパイスはこれについて、「サウジアラビアは、アメリカとは異なる大国との関係強化を追求している」と報じました。このようなアプローチのもうひとつの意味は、アメリカとイギリスの利益の融合です。とはいえ、このアプローチの重要性は、イギリス政府がEU離脱による貿易関係の拡大を追求する中で、倍増しています。エルパイスは、メイ首相は今回の協議を、大きな貿易合意のためのきっかけにしようとしているとし、「今後5年で300億ポンドの貿易の機会がペルシャ湾岸諸国に存在し、その一部は、20世紀初頭までイギリスの保護下にあった国々だ」としました。

今回の会議の開催国であったバーレーンも、国家安全保障を口実に、サウジアラビアの支援を受け、2011年から国民の抗議運動を弾圧しています。サウジアラビアと、この国の政策に同調するバーレーやアラブ首長国連邦などは、このような破壊的な道を進むための代償を以前から受け入れてきました。恐らく、その理由のひとつは、自分たちを地域のゲームの敗者と見なしていることにあるでしょう。このことから彼らは、自分たちが作った行き詰まりから脱する唯一の道を、今回はイギリスの導きによって、地域に危機を作り出すことだと考えています。

サウジアラビア当局は、これまで、石油市場の影響によるイランの破綻について語っていましたが、現在は、あらゆる前線から後退しています。イエメンでも、人々の抵抗により、サウジアラビアは軍事的、外交的な権威を失いつつあります。このような状況の中、サウジアラビアとその同盟国は、地域に新たな亀裂を生じさせようとしており、その目的を達成するためにあらゆることを行う覚悟です。そのひとつは、国連をはじめとする国際機関でイランを脅威に見せることであり、特に核合意のあと、国連への書簡の提出といった形で追求されています。しかし、サウジアラビアとその同盟国の失敗の流れが、このような動きによって変わることはないでしょう。