週刊イラン
今週イランで起こった主な出来事です。 イラン北部の炭鉱で爆発が起こりました。5月1日のメーデーの式典が開催されました。 大統領選挙の選挙戦が続けられています。 イラン外務大臣がパキスタンを訪問しました。そして最後に、スポーツや文化の話題をお届けします。
イラン北部ゴレスターン州の炭鉱で爆発が発生し、作業員が死亡しました。この事件は、炭鉱内に充満したメタンガスの爆発によるものでした。
先週水曜、ゴレスターン州のアーザードシャフルにある炭鉱で爆発が発生し、20人以上が死亡し、70人以上が負傷しました。現在、事故の原因の調査が進められており、最終的な結果が発表されることになっています。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、先週日曜、メーデーを前に数千人の労働者や起業家と会談し、労働者は誇りの源だとし、労働者社会の職業の安全の確保を強調しました。
ハーメネイー師は、さまざまな国の労働者の政治的、社会的な役割と、イスラム革命当初から、イスラム体制と労働者社会を対立せさせるための敵の努力に触れ、「このような努力にも拘わらず、労働者は常に、体制を支持してきた。実際、労働者社会は、この間、敵たちにダメージを与えてきた」と強調しました。
ハーメネイー師は、労働者を生産と経済の柱だとし、「国家の行政をつかさどる人、次期政権で経済部門を担う人は、就任初日から、雇用問題の解決に努めるべきだ。この重要な問題への対応は、1日たりとも遅れることが許されない」と強調しました。
イラン全国は、現在、選挙の雰囲気に包まれています。今回の大統領選挙には、ミールサリーム氏、ジャハーンギーリー現第一副大統領、ガーリーバーフ・テヘラン市長、ハーシェミータバー氏、ローハーニー現大統領、ライースィー師の6人が立候補しています。
投票はおよそ2週間後に行われ、この6人のうちのいずれかが、イランの大統領に就任します。とはいえ、選挙の結果を予想するのはまだ時期尚早であり、選挙戦の行方を見守る必要があるでしょう。
選挙戦の中での候補者による討論会では、経済、社会、文化、外交政策に関する問題が議論されています。この討論会により、選挙に向けた雰囲気が高まっています。
イラン大統領選挙は、市町村議会選挙とともに、今月19日に実施されます。
イランイスラム共和制は、国民投票によって樹立されました。そのため、イランのすべての体制責任者は、国民の投票によって直接、あるいは間接的に選出されます。政治問題の専門家であるハーニーザーデ博士は次のように語っています。
「明らかに、イランイスラム共和国は、イスラム革命の当初から、国民の票に大きな重要性を与えてきた。イランの憲法は、国民を体制の力の柱と見なし、誰もその力を国民から奪うことはできない。イスラム共和国の創始者、ホメイニー師は、国民の票を尊重し、常に、国民の票に関して、自分の意見を他人に押し付けてはならないと強調していた。このように、イランのイスラム体制は、地域で、あるいは恐らく世界で初めての宗教に基づく民主主義体制のモデルとして、国民の意見や票に大きな重要性を与えている。実際、国民はイスラム体制の政治構造において最も重要な役割を果たしており、イランのイスラム体制の存続は、大統領選挙、国会選挙、市町村議会選挙など、さまざまな選挙への国民の参加にかかっている」
イランのザリーフ外務大臣は、イランとパキスタンの国境におけるテロの防止を目的にパキスタンを訪問ました。また、サウジアラビア国防大臣が反イランの発言を行いました。
ザリーフ外相は、パキスタンの政府高官と、国境における最近のテロ対策について話し合うため、先週水曜、政治、軍事、安全保障代表団を率いてイスラマバードを訪問しました。
先月26日、イラン南東部スィースターン・バルーチェスターン州で、イランの国境警備隊員9人がパトロール中にテロ攻撃に遭い、殉教しました。また、1人が負傷し、パキスタン国内に連れ去られました。
イランとパキスタンの高官が、今回のような会談を行うのはこれが初めてのことではありません。この問題のさまざまな側面を明らかにすることは非常に重要です。イランとパキスタンは長い国境を有しており、このような出来事が繰り返されれば、両国の関係にマイナスの影響が及びます。ザリーフ外相のパキスタン訪問とこの訪問における代表団の同行は、実際、このテロの実行犯の訴追と処罰に向けたイランの強い意志を物語っています。パキスタンの国境、安全保障関係者は、パキスタン国内からのイランに対するテロの再発を防ぐため、効果的で透明な対策を講じる必要があるのです。
サウジアラビア国防大臣が、先週、「イランはイスラム諸国を支配しようとしている」と主張しました。
サウジアラビア国防大臣は、この発言の中で、「サウジアラビアの目的はイラン国内に戦争を引き起こすことだ」と脅迫しました。この発言は、サウジアラビアが、ワッハーブ主義に基づく過激な行動により、イスラム社会に分裂を引き起こしている中で提起されています。この発言と同時に、アメリカの副大統領も、イランは中東の情勢不安の原因だと根拠のない発言を行いました。
イランのホシュルー国連大使は、国連事務総長と安保理議長に書簡を送り、サウジアラビア国防大臣の発言は、イランに対する明らかな脅迫であり、国連憲章に反するものだと訴えました。
サウジアラビア国防大臣の発言は、長年に渡って侵略を支持し、危険な目的を果たすためにテロ組織を利用してきた政権によって中東地域が脅かされていることを改めて示しました。サウジアラビア国防大臣は、サウジアラビアがここ数年、地域情勢に関する目算を誤ってきたことをよく知っています。しかし、それを明らかにする勇気がないために、イエメンを攻撃しています。また、同じ過ちをイランに関しても繰り返しています。しかし、このような立場を取ったとしても、サウジアラビアの立場を強化することにはならないでしょう。
サウジアラビアはこれまで、地域の真の脅威に対抗する上で、正当化できるような経歴を有していません。しかし、この国の関係者は、アメリカと協調し、地域の有力な国であるイランの役割を軽視しようとしています。このような動きは、特に、シリア情勢を巡るアスタナの協議で、イランとロシアの機能的な役割が明らかになった後で激しさを増しています。
4度目のシリア国際会議は、先週、シリアの緊張緩和地区の創設に関する文書を署名して終了しました。この文書は、イラン、ロシア、トルコの関係者によって署名されました。国連のデミストゥラ・シリア特使は、「緊張緩和地区に関する合意覚書は、正しい道への歩みだ」と強調しました。
今週もイランではさまざまな文化、スポーツニュースがありました。文化面では、書籍国際見本市の開催、スポーツ面では、アジア大会での優勝をあげることができます。
テヘラン書籍国際見本市は、先週火曜、テヘラン南部の展示場で開幕しました。今回の見本市では、国内外の出版社2782社が、最新の書籍を展示しています。
スポーツに関しても、イランは、インドアホッケーのアジアカップで7大会連続の優勝を飾りました。
イランは先週金曜、インドアホッケーのアジアカップの決勝戦で、カザフスタンに10対1で勝利しました。今回の大会は、8チームが出場し、4月24日から28日まで、カタールのドーハで開催されました。イラン代表は、この大会で優勝したため、2018年にドイツで開催されるワールドカップへの出場を決めています。
先週、トルクメニスタンのアシガバードで開催された重量挙げのアジア選手権でも、イランは金メダル5個、銀メダル3個、銅メダル3個を獲得し、アジアのチャンピオンになりました。