ニューヨークの会合、トランプ大統領の核合意に反する決定への対応
イランと6カ国の外相会合が、アメリカのトランプ政権の発足後、初めて開催されました。こうした中、この会合は、イランとアメリカの外相が協議の席に着く初めての機会となりました。アメリカの現政権が、9ヶ月前から核合意に反する立場を取り、トランプ大統領も国連総会の演説で、核合意をアメリカの恥とした中で、このような会合が開かれたことは重要な問題となっています。
EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、ニューヨークで6カ国の外相と会合を行った後、「すべての国は、核合意の取り決めを完全に実施していくことを強調した」と語りました。モゲリーニ上級代表は、記者会見で、「アメリカは核合意を離脱しないと確信している」としました。アメリカのティラーソン国務長官も、この会合の後、記者団に対し、「イランは技術的には核合意を遵守しているが、中東情勢やミサイルに関するイランの一部の活動には懸念が残る」と主張しました。
ティラーソン国務長官は、イランのミサイル・防衛活動や、シリアとイラクのテロ組織ISISとの戦いにおけるイランの役割を危険なものだとしながら、その根拠には触れていません。とはいえ、“技術的な”という単語を用いて、イランの核合意の遵守を認めたことは、アメリカの約束不履行の道を、さらに困難なものにするでしょう。
イランの核合意の遵守は、IAEA国際原子力機関の報告でも、これまで繰り返し認められています。
こうした中、アメリカ政府が、核合意の取り決め履行という国際社会の要求や期待に従うか否かについては、疑いが残ります。ティラーソン長官は、トランプ大統領は、核合意の遵守を続けるか、この合意を離脱するかについて最終的な決断を下しており、まもなく、それを発表するだろうと語りました。
トランプ大統領は、10月15日までに、イランが核合意を遵守していないことを表明し、2015年の法に基づき、この問題の決定を議会に委ねることになるとも言われています。この法により、アメリカ議会は、核問題を巡って停止していた対イラン制裁を再開することが可能です。しかし、このような行動は、核合意の死につながるでしょう。
とはいえ、今もなお、アメリカ政府内では、このようなシナリオの実現に対して抗議の声が上がっています。アメリカの7人の上院議員は、正式な書簡の中で、トランプ大統領に対し、イランの核合意への違反を示す証拠があるのなら、それを議会に提出するよう求めています。こうした中、アメリカのティラーソン国務長官が、イランの核合意の技術的な遵守を強調したことから、アメリカ政府が、イランの核合意への違反を示す証拠を議会に提示できるとは考えにくいでしょう。