対イラン制裁への対抗策に向けたヨーロッパの前進
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フランスのルドリアン外務大臣
フランスのルドリアン外務大臣が、「EUはアメリカの対イラン制裁に対し、ヨーロッパ企業を保護することに関して、前進している」と語りました。ルドリアン外相はまた、ブロッキング規制の実施について、「この規制により、EUはアメリカの圧力からヨーロッパ企業を守ることができる」と語りました。
さらに、この行動はまだ十分でないとして、一部の金融の仕組みがアメリカドルを使わない形で構築されることが必要だと強調しました。
このブロッキング規制により、EUはアメリカの裁判所における法的命令を無視し、アメリカの国際的な制裁に抵抗することができるようになります。また、この規制は、ヨーロッパの企業に、アメリカの制裁に従うことを禁じ、この規制を無視する企業は、罰則を受ける可能性があります。さらに、イランとの取引でヨーロッパ企業が損害を受けた場合、賠償金が発生する仕組みにもなっています。
このブロッキング規制は、1996年11月、キューバに対するアメリカの制裁をめぐり、欧州議会で採択されました。確かにこの規制は、実施されませんでしたが、ヨーロッパがこの規制を利用する可能性が示されたことで、ヨーロッパ企業に対する二次的な制裁が行使されないことをアメリカに確約させました。
ヨーロッパ政府関係者はまた、アメリカの制裁を回避できるよう、現金を直接イラン中央銀行に移送しようとしています。これにより、ヨーロッパ企業はアメリカの金融システムから離れ、イラン産原油の代金を支払い、イランに必要な資金が確保されることになります。
ヨーロッパ諸国の要人の努力は、彼らがイランが核合意を遵守しているというIAEA国際原子力機関の報告により、核合意を信頼しているだけでなく、中央アジアや西アジアにおけるアメリカの問題行動の代償をヨーロッパが支払うべきだという結論に達したことを受けて行われています。ヨーロッパに対するテロ攻撃の拡大、西アジアの相次ぐ危機を受けた難民危機、ヨーロッパ最大の問題とされている右翼や過激派政党の活発化、経済や金融に関する問題の増加は、アメリカのこの問題行動の結果なのです。
このため、現在、ヨーロッパ政府の要人は、アメリカに対して独立と、その経済的利益を守るため、核合意の維持に向けた問題解決を行おうとしています。一方で核合意の破棄は、地域・国際レベルで安全保障に大きな影響を及ぼすことになり、これはヨーロッパも懸念しています。
EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表は、これについて次のように語っています。
「核合意の維持は、ヨーロッパにとって、安全保障上の問題であるだけでなく、ヨーロッパが独自の決定を下す上での試練だ」
こうした中で、フランスのルドリアン外相は、核合意を維持するためのヨーロッパ諸国の努力を強調し、イランとの話し合いでの進展を伝えたのです。