視点;ソレイマーニー司令官暗殺がもたらした4つのこと
ソレイマーニー司令官及びその同行者を暗殺した米による国家テロは、4つの具体的で目に見える結果をもたらしました。
1ー国連安全保障理事会の信用失墜
国連憲章第24条第1項によりますと、国連安全保障理事会は国際的な平和と安全を維持する責任を負っています。米政府は、イランイスラム革命防衛隊ゴッツ部隊のソレイマーニー司令官を暗殺したと公式に発表し、 ロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は、米国の行動を「違法な武力行使の顕れ」と述べました。にもかかわらず、些細な問題でさえも討議される国連安全保障理事会は、今回の米の国家テロに何ら対応を起こしていません。
2-テロ組織ISISの再浮上
ソレイマーニー司令官は、テロ組織ISISとの戦いの先駆者であり、ISISのシリアとイラクでの掃討に重要な役割を果たしました。
毎週木曜日にISISグループのメディアで発行されるISIS系のアルナバ新聞は、その社説でこの米による国家テロに反応し、喜びをあらわにしました。
3ー米国の威信に深刻な打撃
一方、国際社会の覇権を主張する米政府が公式にテロを実行し、それを公然と認めたことに対し、方やイランはイラクのアサド米軍基地にミサイル攻撃を仕掛け、米テロ政府の犯罪に断固とした報復を加えました 。
この一連の出来事は、地域・国際レベルで米国の威信を失墜させました。
パレスチナ人の評論家、Wasif Erekat 氏は、イランがイラクのアサド米軍基地をミサイル攻撃したのは、ソレイマーニー司令官のテロに使用された無人機が飛びたったその場所を標的にしたところに価値があると分析しています。
アサド基地は、米空軍基地の中では2番目に大きい基地で、5000人の兵士を収容できます。この基地には中央警備システムとレーダーが装備されていますが、これらのレーダーはイランのミサイルを探知できませんでした。これは、防空およびレーダーシステムを誇る米国にとってのもう1つの打撃です。
このミサイル攻撃の後、米国の地域での信頼性は失われました。しかし、このことは米軍兵士の死以上に重要なことです。米国は被害の程度を発表することはできませんが、この基地のセキュリティシステム、無人機、インフラは損傷を受けています。
4ー地域の抵抗勢力に対抗する戦線の弱体化
イランの大学で教鞭をとるデフガーニー・フィールーズアーバーディー教授は、「ソレイマーニー司令官の暗殺は、この地域の抵抗勢力に対抗する戦線の弱体化、及び米国の地域からの撤退の下地となっている。なぜなら、米トランプ大統領は国内世論からイラクとシリア撤退を迫られているが、 これは大統領選挙の時のかねてからの公約の1つでもあったからだ」と語りました。
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