ドキュメンタリー・イラン
イランの文明と歴史の都・西部ハメダーン州の岩壁の碑文・ギャンジナーメ(日本語のナレーション付)
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ハメダーン州の岩壁の碑文・ギャンジナーメ
イラン西部ハメダーン州で最も見ごたえのある名所の1つは、ハメダーンの南西5キロのところにある、大型の岩盤の表面に刻まれた楔形文字の碑文・ギャンジナーメです。
ハメダーンは、イランの文明と歴史の都とされています。この地域での最も見ごたえのある観光名所の1つは、ハメダーンの南西5キロに位置している、大きな岩壁の表面に刻まれた楔形の碑文・ギャンジナーメです。
ギャンジナーメとは、ペルシャ語で「宝の書」を意味します。この大型の碑文は、歴史と自然を結びつけるものです。ここに着くとまず、大型の岩壁の表面に2つの長方形のくぼみがあり、それぞれの長方形の中にびっしりと楔形文字の刻まれた碑文が目に付きます。そこからさらに進んでいくと、突き当たりには非常に大きな滝があります。
この2つの碑文は、今からおよそ2500年前に当時のアケメネス朝ペルシャの王の命令により、アルヴァンド山脈の斜面に掘り込まれたものです。2つの碑文のうち、やや上のほうに位置しているものにはダーリウーシュ1世を、やや下に位置している方にはその息子のクセルクセスを称えた内容が刻まれています。また、この碑文は古代ペルシャ語、エラム語、新バビロニア語の3つの言語によるものです。この2つの碑文の脇には、その英語とペルシャ語の翻訳文が添えられています。毎年、ハメダーンにはこの碑文の見学を希望する多数の観光客が、イランをはじめ世界各地からやって来ます。
碑文の上には、ギャンジナーメの滝と呼ばれる、常に水量の豊富な滝があります。この美しい滝は高さ約12メートルで、年間を通して魅力的な光景をかもし出しています。
さらに、この滝の脇には、ギャンジナーメ娯楽観光複合施設があります。
ギャンジナーメに沿ってさらに進んでいくと、目の前に非常に入り組んだ、かつとても美しい街道が開け、トゥーイセルカーンという町に行き当たります。この見所の多い街道は太古の昔から「王の道」として知られていますが、その由来はこの街道が、紀元前のアケメネス朝時代およびその後の歴代王朝の王たちが、現在のイラン西部ケルマーンシャー州に向かう際の通り道だったことによります。
この町には非常に設備の整ったホテルが数多くそろっています。また、皮革製品や陶磁器、手工芸品などを旅のお土産にお持ち帰りいただけます。もちろん、折角この町を訪れたからには、ぜひ古くから残る伝統的なバザールの見学もお忘れなく。このバザールではハメダーンの郷土土産として、クマーチと呼ばれる油で焼いた地元特製のパン、アンゴシュテパンジと呼ばれる、卵の白身と砂糖、ローズウォーターなどで造られた郷土銘菓などをお求めいただけます。そして、ハメダーンの郷土料理でこの地域独特の肉じゃが・アーブグーシュトもぜひお試しください。
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