視点: イラン最高指導者が強調するイラクの領土保全、統一、結束
(last modified Wed, 22 Jul 2020 08:23:26 GMT )
7月 22, 2020 17:23 Asia/Tokyo
  • ハーメネイー師(左)とカディミ首相の会談
    ハーメネイー師(左)とカディミ首相の会談

「イランは、領土保全、統一、そして国内の結束が維持された威厳あるイラクを望んでいる」

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は21日火曜夜、テヘランでイラクのカディミ首相と会談し、 「イランにとって二国間関係で非常に重要なことは、イラクにおける状況改善、国益、公益、安全保障、尊厳、地域的権威である」と語りました。

ハーメネイー師はまた、イラクに対するアメリカの視点はイランとは真逆であるとし、「イランはイラクと米国との関係に干渉することはない。だが、イラクの友人たち(政府関係者を指す)が米国をよく認識し、あらゆる国において米国の存在が、腐敗、破滅、そして破壊の根源であることを知っておいていただきたい」と述べました。

ハーメネイー師はイラク首相との会談で二つの重要かつ戦略的な問題を強調しました。その発言は、敵を認識すること、そして地域におけるアメリカの明らかなかつ隠された目的を強調する一方で、イラク国民が潜在能力と真の意志を拠り所に困難と陰謀を克服する道筋を明確に説明しています。

トランプ米大統領とクリントン元大統領がメイドインアメリカと認めた国際テロ組織アルカイダ、それとの戦いを口実に、アメリカは2001年、地域を情勢不安とテロに巻き込み、その中からテロ組織ISISや他の数十のテロ組織が出現することになりました。米国は、現在の状況においても、地域での危機や戦争を生み出そうとするトランプ大統領の行動から世論の視線をそらすため、新たな冒険を探し求めています。

米国は長年にわたりそうした目的を達成するために、あらゆる犯罪に手を染めてきました。ハーメネイー師は、米軍がイスラム革命防衛隊ソレイマーニー司令官と(イラク民兵組織副司令官)アルムハンディス副司令官を暗殺した出来事は、イラクに米国が存在したことの結果の一例であるとし、「イランはこの事件を決して忘れることはない。アメリカに断固として反撃するだろう」と強調しました。

米国は今年1月3日、イラク政府の正式な招待によりイラクを訪問中だったイランイスラム革命防衛隊ゴッツ部隊のソレイマーニー司令官と同行の計10名を殉教させるというテロ行為により、改めて米国の真の目的が地域の情勢不安を煽り、地域でのテロ組織の活動の機会を設けることにあるということを明らかにしたのです。

しかし現実には、敵はイランと近隣諸国との間の結束と良好な関係に常に平手打ちを受けてきました。今日、地域の状況と政治的および軍事的均衡が変化し、諸国民や彼らから誕生した政府は、地域に邪悪な米国が存在することを許していません。このことから、ハーメネイー師はカディミ首相に、「イランは、イラク政府、国民、議会が米国を追放する決定を下すことを期待している。なぜなら、その存在は情勢不安の元凶であるからだ」と語ったのです。

カディミ首相がハーメネイー師との会談でこう述べました。

イラク国民はイランの支持を決して忘れることはないだろう。そして実際に、タクフィール派との戦いでイラク人とイラン人が流した血は混ざり合っている

これらの見解とアプローチは、イランとイラクの関係が3つの戦略的原則に基づいていることを物語っています。その3つとは「共通の安全保障」、「政治的、経済的協力」、そして「宗教的共通性」に頼ることなのです。

 

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