1月 19, 2016 20:39 Asia/Tokyo
  • IAEAの天野事務局長
    IAEAの天野事務局長

アミーンザーデ解説員 IAEA国際原子力機関が、イラン原子力庁長官との会談後の天野事務局長の声明の内容を発表しました。この声明では、「天野事務局長は、テヘランで行われたイランの政府高官との会談で、イランとIAEAの協力を強化することで合意した」とされています。18日月曜の天野事務局長のテヘランでの協議は、非常に重要な時期に行われました。これらの協議は、包括的共同行動計画の実施が始まった後に行われました。

イランとIAEAの間には、最高レベルの協力が存在し、特に、過去の未解決の問題を解決するためのロードマップが実施されたこの1年は、多くの活動が行われました。イランとIAEAは今後も、協力を継続していく決意です。これについて、IAEAの声明では、追加議定書の自発的な実施など、一部の問題に触れており、特に重要なものとなっています。

イランとIAEAの関係は、現在、新たな段階を迎えようとしています。天野事務局長は声明の中で、「IAEAは、政治を離れ、事実を軸にした中立的な活動を続けていく」と強調しています。また、「IAEAの代表として、良好な協力が保障できるよう、最大限の努力を行うつもりだ」としました。

天野事務局長は、イランでの協議を終えた後、今回の訪問とイランとIAEAの協力の総括に関する報告を理事会の会合で提示するため、19日火曜未明にウィーンに向かいました。

IAEA理事会は、およそ10年前の2006年3月8日、イランの核問題を国連安保理に付託しました。IAEAは、2006年から包括的共同行動計画が実施される前まで、イランに対して12の決議を採択し、理事会は5つの決定を下しました。この間のIAEAによるマイナスの報告や決議により、国連安保理は、イランに反する6つの決議を採択しました。現在、イランの核活動に関する根拠のない非難についての問題は終結しています。イランの核問題に関連した国連安保理、アメリカ、EUの、金融、石油・天然ガス、海運など、さまざまな分野に関する経済・金融制裁は解除されています。

これらの制裁は圧制的なものでした。このような流れの一部は、IAEAへの偽りの文書の提示によるもので、IAEAはこの間、それをイランに対する誤った決定の基準にしました。しかし、この問題の解決に関するイランとIAEAの協力は、イランが、包括的共同行動計画とロードマップに沿って、自らの取り決めの履行を守っていることを示しました。

イランのローハーニー大統領が、天野事務局長との会談で強調したように、イラン政府は、核計画の合意に関する取り決めを守ってきました。ローハーニー大統領は、IAEAとの協力においては通常の責務を超えていたとし、「NPT核兵器不拡散条約やIAEAの査察がなくても、イランは道徳的、宗教的な見地から、大量破壊兵器の獲得に向けて措置を講じることはない」と語りました。

一方で、イランは、IAEAと6カ国に対し、自らの責務を、政治的な考慮を抜きにして、完全かつ正確に履行するよう求めています。これは、天野事務局長が声明の中で触れた点です。天野事務局長は、IAEAは、中立な活動を続ける決意であるとし、良好な協力を保障できるよう、最大限の努力を行うつもりだと語っています。しかし、イランとIAEAの協力の新たな段階の中で、この約束がどの程度、実現されるかを見守っていく必要があるでしょう。

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