イランの上海協力機構への加盟
(last modified Sat, 18 Sep 2021 05:59:34 GMT )
9月 18, 2021 14:59 Asia/Tokyo

中国とロシアが主導する地域協力組織・SCO上海協力機構による、この組織へのイランの正式加盟への同意は、同機構のこの数年の最も重要な承認事項として挙げられます。

イランはこれまで、SCOの毎回の会合のたびに、オブザーバー国として参加してきました。しかし、タジキスタンの首都ドゥシャンベにてこのほど行われた、この組織の第21回首脳会合で、イランの正式加盟が認められました。これにより、この組織の正式なメンバー国は9カ国となっています。

今回のイランの正式加盟により、SCOの政治・経済的な重みが大きく増加することになります。イランは、多数の若年人口、専門性や熟練性に長けた人材、豊富な経済資源、工学技術の発展、世界に通用する国内開発の工業・科学技術などに恵まれています。このことから、イランの加盟によりこの組織は、西アジア地域の未開拓の市場へも容易にアクセスできることになります。

イランの外交官で地域問題の専門家でもあるパークアーイーン氏は、次のように述べています。

「第1に、イランは国家テロ対策や治安の面から、地域での安定を生み出す存在である。第2に、同国は経済面で豊かな埋蔵資源を有しており、また第3の点として、戦略的な位置づけから、西アジアと極東アジア、さらには南北を結ぶ中継的な橋のような存在となりうることが挙げられる。このため、イランのSCO加盟により、この地域的組織の位置づけが向上することになる」

さらに、イラン外務省のハティーブザーデ報道官も「わが国がSCOに正式に加盟したことは、近隣諸国との関係発展への大きな足がかりおよび、我々のアジア中心の外交の重要な前進とみなされる」と語りました。

上海国際研究センターのあるメンバーもこれに関して、「アメリカの同盟諸国も、SCOへの加盟を画策しているが、このことはこの組織の重大さを物語っている。このたびのイランのSCO正式加盟により、その重さは著しく増大する。同時にこのことは、イランにとっても大きな利益となり、特に西側諸国による対イラン制裁の効力をさらに弱めることにつながるだろう。このため、これは当事者双方が利益を得られる1つの協力の形態であり、反覇権主義態勢をより強固にするものとなろう」と述べています。

 

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