視点
イラン最高指導者の見解ー「核エネルギーが国の学術発展に貢献」
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、「世界は日増しに核エネルギーへの依存を強めており、わが国も近い将来、平和目的の核エネルギーを強く必要とするだろう」と強調しました。
ハーメネイー師は17日木曜、イラン北西部・東アーザルバーイジャーン州の人々に向けたオンライン演説において、「敵側の戦線が、イラン核問題、そして我々の核の平和利用を知りながらの圧政的な制裁行使、わが国と核兵器の距離が狭まっているなどとする愚鈍な文言の表明に固執する原因は、将来におけるニーズ確保に向けたわが国の学術面での発展を阻むことにある」と語りました。
平和目的でのイランの核計画は近年、イランに矛先を向ける敵のメディア戦争で槍玉に挙げられています。しかし、イランもそのほかのすべての国と同様に、自らの将来の発展や計画に向け、各分野における世界最新の知識へのアクセスやその獲得の権利を有しています。
新エネルギーの利用や核科学への注目は、あらゆる国やその諸国民の福祉・発展、生活の安全に直接関係しており、イランもこの道筋において、国内の能力・可能性に依拠し、着実な足取りを進めています。核エネルギーの平和利用は、様々な産業の発展に直接影響します。たとえば、国民の食物の安全確保を目指す農業、そして医学における新しい方法の活用は、国民の健康をこれまで以上に保障できるような原子力分野知識の活用と深くつながっているといえます。
様々な製品の多様化、一部の難病の治療のための特殊な医薬品の製造、様々な側面での学術発展においてその前提として必要とされるのは、平和利用を目的とした核知識の保有とその研究開発の継続です。核科学は、人類の生活のすべての側面に入り込んでおり、これらの分野における譲歩は、学術面での発展という進路を進む上でイランの将来を困難に直面させることになります。
核エネルギーの平和利用は、イラン国民が1979年のイスラム革命以後に成し遂げた学術面での目覚しい大規模な進歩であり、同国の若手の学者らは日々前向きな進歩により核科学・エネルギーのすべての理論・見解へアクセスできるよう、日々前進に努めてきました。
イランの進歩発展は、イスラム革命の諸目的のうちの1つであり、平和目的の核エネルギー・科学の全ての理論・見解へのアクセス・制覇は、国家の将来の発展を保証するとともに、新たな時代における力の重要な範疇の1つとされています。
核エネルギー活用の重要性に着目し、イランはこれまでに何度も、自らが核兵器の獲得を目論んでいないことを強調していますが、それゆえに現在オーストリア・ウィーンで進行中の核合意復活交渉において、一部の関係国はイランの核の知識の進歩発展を制限しようと画策しています。
平和目的での核の成果の維持・擁護は、イランの譲れない一線として発表されており、イラン当局はこれらの成果が圧政的な各種制裁の解除と同様に重要であり、イランとしてウィーン協議においてこの2つの課題を同等のものとして追求していると強調しています。
ウィーン協議は決して、平和目的での核エネルギーを無視・断念することを意味しておらず、いかなる合意も核分野においてのイランの進歩・研究開発を制限することはありません。この枠組みにおいて、ウィーン協議でイラン代表団長を務めるバーゲリーキャニー外務次官は、「全ての項目に関して合意しなければ、全く合意が成立しなかったことに等しい」としています。