イラン国連大使、「対テロ戦争はシリア主権弱体化の言い訳にされるべきでない」
イランのタフテラヴァーンチー国連大使が、「シリアの危機は、占領が終わりテロの脅威が根絶されない限り解決は可能でない」と述べました。
イルナー通信によりますと、イランのタフテラヴァーンチー国連大使は米ニューヨーク時間の26日火曜、安保理会合でシリアの政治・人道動向について、「シリアでの戦争が始まってから10年以上で、同国の人道的ニーズは最高レベルに達した」と述べました。
続けて、現在の経済危機は一般の人々、特に子供、女性、高齢者、障害者に影響を与えているとして、「悲惨な人道的状況に鑑み、シリアの人々に対する一方的な制裁は直ちに解除されるべきである」としました。
さらに、シリアの危機は、占領が終わりテロの脅威が根絶されない限り解決可能でないとして、「この危機の唯一の解決策は、シリア自身が主導する政治プロセスを国連が促進していくことである」と強調しました。
また、シリアの主権、領土保全、統一、および政治的独立に対するイランの約束や、テロとの戦いに向けての努力を改めて強調し、イスラエル政権によるシリアの主権および領土保全への度重なる侵害を非難しました。
そして、「我々は国連安全保障理事会に対し、侵略行為まがいの醜い行動や、地域の他の国々に対して武力行使を示唆して公然と脅しをかけ、地域の平和と安全を危険にさらすような行為について、イスラエル政権に説明を迫るよう求める」と述べました。
そのうえで、対テロ闘争がシリアの主権と領土保全を弱める言い訳にされてはならないと強調して、「テロ活動に理想的な環境を作り出した、一部のシリア領土における外国軍の違法駐留を、直ちに終わらせなければならない」としました。
シリア政府は、シオニスト政権とその地域内および西側の同盟国が、シリア政府に戦闘を仕掛けているタクフィール主義テロ組織を支援していると、再三表明しています。
シリア軍はこれまでに度々、シリアに拠点を置くテロ組織から、イスラエル製の武器や弾薬を発見しています。
イスラエル軍戦闘機は、レバノン領空または占領下のゴラン高原を介して、シリア領内の標的に定期的にミサイル攻撃を行っています。
レバノンに本拠を置く国連平和維持軍は、イスラエルが日常的に国連決議に違反し、レバノン領空を侵犯していると繰り返し報告しています。