IAEA事務局長、「イランに核兵器製造計画はない」
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IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長
IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長が、「イランが核兵器を所有していたり製造を計画しているという情報はない」と述べています。
ファース通信社によりますと、グロッシ事務局長は14日火曜、サウジアラビアのアルアラビヤTVとのインタビューで、「イランは核能力を増加させているが、核兵器製造の段階にはなく、同国がこのような兵器を所有したり製造を計画しているという情報は、現時点で我々のもとにはない。この点は非常に重要である」と述べました。
続けて、「イランのウラン濃縮率は60%と非常に高かったが、90%にまでせまっている」と主張しました。
また、「濃縮をさらに進めることは、核合意当事者のどの国の助けにもならないだろう」としました。
そして、「イラン国内の3施設でウランの痕跡が見つかったことで、この痕跡および発見現場とそこで使われた機器についてイランに質問したが、これまでのところ、これらの問題は我々にとって明確にすることはできていない」と主張しました。
グロッシ事務局長のこのような発言の背景には、IAEAで先日、アメリカおよび欧州トロイカとされる英独仏が、シオニスト政権イスラエルの圧力およびラファエル・グロッシIAEA事務局長の迎合により、対イラン決議案を提出し、これが採択されたことがあります。
この決議は、イラン側が自らの善意により行ってきたIAEAとの大規模な協力を無視した形となり、このことからイラン原子力庁も、保障措置外のIAEAの監視カメラ作動停止を発表しました。
グロッシ事務局長は、IAEA理事会の非難決議への対応としてイランがとったこの一部監視カメラ停止措置に関して、アメリカの核合意復帰にとって「致命的な一撃」であると主張しました。
イランは、2018年5月8日にアメリカが核合意から一方的かつ違法に離脱した後、他の当事国が自国の義務を履行するという条件のもとに、この合意の維持に努めてきました。しかし欧州側は、合意維持に向けて約束した行動を何一つ取ることができませんでした。