日本の2022年上半期の貿易赤字が7兆9241億円、上半期として過去最大
2022年上半期の日本の貿易赤字が、上半期としては過去最大の7兆9241億円に達しました。
日本の報道各社が21日木曜、財務省の発表として報じたところによりますと、今年1月から6月までの上半期の貿易統計は輸出から輸入を差し引いた貿易収支が7兆9241億円の赤字と、比較可能な1979年以降半年間の貿易赤字としては過去最大となりました。
これは、ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦を背景に原油などの価格が上昇し、輸入額が大きく膨らんだことが要因です。
輸出額は去年の同じ時期と比べて15.2%増えた一方、輸入額も37.9%の大幅な増加となり輸入の伸びが輸出の伸びを大きく上回りました。
輸入額が大幅に増えたのは、ウクライナ戦争で原油やLNG液化天然ガスなどエネルギー価格が高止まりしていることに加えて円安が進み、全体の金額を押し上げたためで、輸入額は53兆8619億円と、上半期としては初めて50兆円を超えました。
財務省の貿易統計によりますと、輸入額が大きく伸びているのは、原油や石炭、LNG液化天然ガスなどの「鉱物性燃料」で、輸入の増加額のほぼ半分を占めています。
また、このところ食品の値上げが相次いでいますが、原材料の小麦などの穀物類は、ことし上半期の輸入量の伸びが1%だったにもかかわらず、輸入額はプラス48.1%とおよそ1.5倍増加していて、こちらも単価の上昇が輸入額を押し上げる形となっています。
一方、先月1か月分の貿易収支は1兆3838億円の赤字で、11か月連続の貿易赤字となりました。
この問題について松野官房長官は、21日午前の記者会見で「輸出入の動向は内外の経済情勢や原油価格の動向など、さまざまな要因の影響を受けるものだが、引き続き今後の動向を注視していきたい」と述べました。