視点
米国による広島への戦争犯罪から77年
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米国による広島への戦争犯罪から77年
日本の人々は今月6日、アメリカによる広島への原爆投下から77年の日を迎え、長崎と合わせて数十万人となる犠牲者の冥福を祈りました。
広島で行われる平和記念式典は、本来であれば、アメリカによる人道に反する犯罪を訴え、世界の人々を前にアメリカが恥じ入るものであるべきです。
1945年8月6日と9日の原爆投下では、広島と長崎合わせて直接・間接で数十万人の犠牲者が出ました。
アメリカのジャーナリスト、ジョン・ハーシー氏は、原爆投下後の広島に初めて入った人たちの1人でした。彼の撮影した写真は、アメリカ政府・軍による人道的悲劇と戦争犯罪の奥深さを証明するものでした。彼の証言は、世界各国のメディアで取り上げられ、アメリカの戦争犯罪の深刻さを人々に知らしめました。彼の言葉を借りれば、アメリカのこの犯罪により、人間の体の輪郭が写真のネガのように壁に焼き写ったということです。
この原爆投下は、アメリカが犯した最大の反人道的犯罪です。そして、その影響はいまだに日本の人々を苦しめています。広島・長崎への原爆投下による放射線は、この地域の人々の子孫にまで皮膚・呼吸器系の病気や様々な障害をもたらしています。
このようなおぞましい過去にもかかわらず、アメリカは他国の平和目的の核計画を、世界を危険に陥れようとしているとして非難しています。日本の人々にとって何よりも苦痛なのは、原爆投下の実行者が何の訴追・処罰も受けず、アメリカ政府が様々な口実でこの犯罪を正当化していることです。
いずれにしても、広島・長崎の記念式典は、アメリカが日本に対して犯した犯罪、しかも現在の世界情勢の成り行きからして、他国でも起こりうる犯罪を思い起こさせるためのものです。だからこそ、世界の人々は日本の被爆者とともに核のない世界を求めているのです。
核を持つことが安全保障につながらないばかりか、広島の惨禍が再び繰り返されることへの世界的な懸念を引き起こしていることは、歴史が証明しています。こうした状況でも、アメリカは性懲りもなく自らの核保有数を増やし、いつにも増して世界の安全を危険に陥れています。
これについて、前広島市長の秋葉忠利氏は「安全で平和な世界の確立には、核兵器の廃絶が必要だ。日本政府も、国家の安全保障のためにアメリカの核の傘から離脱すべきである」と語っています。