日本のインフラ監視システムは脆弱、防衛対策が急務
10月 03, 2022 20:33 Asia/Tokyo
日本の水道や電力など社会インフラが、サイバー攻撃の被害を受けやすく脆弱であることが判明しました。
日本経済新聞が独自に行った調査で、日本の水道や電力など社会インフラのうち、サイバー攻撃を受けやすいとされる監視システムは877カ所検知されており、うち579カ所が再生エネルギー関連、240カ所が水道関連、残る58カ所が物流倉庫や陸上輸送管理システムなどの陸運関連となっています。
同紙によりますと、高市経済安全保障相は「サプライチェーン全体でセキュリティーレベルを上げることは喫緊の課題」と指摘しました。
その例として、冠水被害の多い中部地方のある市街地では、5年前に地下に新設された排水ポンプはサイバー攻撃により遠隔操作されるリスクが認められています。
サイバー防衛ではパスワードの管理でもずさんさが目立ち、九州の太陽光発電設備は、マニュアルで公開されている初期パスワードを変更せずに使用していた事実があります。
総務省はこれを問題視し、注意喚起していますが、問題は解決されていません。
インフラ防衛に詳しい立命館大学の上原哲太郎教授は「総務省から担当省庁、メーカー、地方の販売代理店、インフラ事業者への伝達ラインが機能せず、問題の深刻さが伝わっていない」と指摘しています。
日経新聞は、今回判明したインフラの「穴」は氷山の一角だとしており、外部ネットとインフラをつなぐ通信システムにもサイバー攻撃リスクがあることから、予想を超えた形で被害が広がりかねない、と結論付けました。