露専門家、「北朝鮮のミサイル発射は日本のミサイル防衛システムの無用性を示す」
著名なロシア人軍事専門家のアレクセイ・レオンコフ氏が、「北朝鮮の発射した弾道ミサイルが日本の領土の上空を飛行した事実は、日本のミサイル防衛システムが有事の際に役に立たないことをあからさまに示した」と語りました。
ロシア・スプートニク通信が4日火曜、報じたところによりますと、レオンコフ氏は「北朝鮮は今回の発射で、日本が米国の協力を得て構築したミサイル防衛システム・THAADが役に立たないことを示した」と述べています。
また、「5年前、北朝鮮のミサイルが日本の領土上空を通過したとき、日本は独自のミサイル防衛システムの開発計画を発表したが、そうした結果は出されていない。たしかに警告システムはきちんと機能したが、もしこれが試験的な発射でなく本物の戦闘だったら、日本側は迎撃することはできなかっただろう」としました。
一方でレオンコフ氏は、「発射実験は集中してはいても、これは北朝鮮と同地域の米国の同盟国との間に紛争の脅威があることを示してはいない」との見方を示しました。
その上で、「北朝鮮の核ドクトリンが予防攻撃の概念に基づいているということは、近隣諸国からのいかなる侵略行為も核兵器使用の根拠となりうること、つまりこれにより北朝鮮は、米国とその同盟国に『その方向へと向かう火遊びはあきらめ』させていると指摘しています。
さらに、「北朝鮮がミサイル開発において目覚ましい飛躍を遂げたことが示すのは、この国が自らを核保有国と宣言した事実を物語っている。北朝鮮のような鎖国国家がそのような発言をするにはそれ相応の理由があるはずだ」と強調しています。
北朝鮮が4日7時22分に発射したミサイルについて、日本の岸田文雄首相は「最近の度重なる弾道ミサイルの発射に続く暴挙であり強く非難する」と表明しました。
また松野官房長官は、このミサイルが日本の東北地方上空を通過し、太平洋の日本のEEZ排他的経済水域外に落下したものと推定されると明らかにしています。
北朝鮮は、アメリカ空母USSロナルド・レーガンとの海上合同軍事演習を含む日米韓による軍事演習の増加に抗議し、過去1週間に5回のミサイル実験を実施しています。
北朝鮮のこうした行動は、地域におけるアメリカの挑発的な行動が原因となっています。