離任の駐日ロシア大使、「日本の行動で露日関係損なわれた」
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ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使
近く離任するミハイル・ガルージン駐日ロシア大使が、「日本の報道で露日関係が損なわれた」との見方を示しました。
日本の報道各社によりますと、ガルージン駐日大使は11日金曜、都内で開かれた日本外国特派員協会での記者会見で、ロシアが今年2月にウクライナでの特殊軍事作戦を始めた後で「日本が取った非友好的な行動により、露日関係が著しく損なわれた。関係の将来は定かでない」と述べています。
また、「これまでウクライナでの特殊軍事作戦を弁護してきたが、一連の発言を悔やんでいないのか」と問われると、「悔やむべきは相手(日本)が取ってきた立場だ」とも答えました。
さらに、2018年1月の赴任から4年10カ月の任期を振り返ると「ほとんどの時期で露日関係が発展してきた」と評価しながらも、ウクライナ危機勃発後に日本政府が相次いで対ロ制裁を科したことから、関係が悪化したとの見解を繰り返しています。
続けて、今後両国関係を修復していくためには「関係を壊した方がイニシアチブを取るべきだ」と主張し、「外交チャンネルを通じ、提案されれば考えていく」と述べました。
一方で、9月下旬にロシアで部分的動員令が発動された直後から数十万人以上の国民が招集を逃れるために出国したとみられていることについては、「個々の件があるから、一つのパッケージに入れられない。出国した人は移動の自由の権利を駆使したのだ」と強弁しています。
そして会見の終わりに、日本政府の関係者らと送別の場が設けられるのかを聞かれると、「アファナシエフ前駐日大使が離任した時のような形式を望んだが、時にはそれもできない」と悔悟をにじませる場面も見られました。
ガルージン氏は旧ソ連時代も含めて4回日本に赴任しており、流ちょうな日本語を話し、「知日派の外交官」として知られてきました。
なお、ガルージン氏の後任者はまだ決まっていません。