沖縄県調査;米軍基地近くで有害物質、国基準の36倍
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米軍基地近くでの有害物質
沖縄県による調査の結果、米軍基地近辺で国基準をはるかに上回る有害物質が検出されたことが明らかになりました。
日本の報道各社によりますと、沖縄県が14日金曜に発表した、県内にある5カ所の在日米軍基地の周辺で行った水質調査の結果から、44地点中、30地点で国の基準(1リットルあたり50ナノグラム)を超える有機フッ素化合物「PFOS」と「PFOA」が確認されました。
中でも、最大濃度だったのは嘉手納飛行場周辺の屋良ウブガーで、基準の36倍にあたる1リットルあたり1800ナノグラムのPFOSとPFOAが検出されています。
いずれも、自然環境では分解されにくく、高い蓄積性があることで知られています。PFOAについては吐き気や皮膚の痛みなどの中毒症状が報告されているほか、科学的データはほとんどないものの、発がん性など長期的な健康被害を懸念する声もあります。
なお、諸外国の飲料水基準と比べて日本は比較的厳しくなっている一方、米国は2種あわせて70ナノグラムとしており、日本並みの厳しい基準を設定しています。しかし、在外米軍基地の周りでは有毒物質を垂れ流しているという皮肉な結果となっています。

調査は2016年以降毎年2回行われ、今回発表されたのは2022年冬季の最新の検測結果で、調査対象となったのは在日米軍の普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧、嘉手納飛行場、キャンプマクトリアス、キャンプハンセンの5基地周辺の湧き水や河川です。
沖縄県は基準を超えた地点では飲料水として用いないよう、地元市町村や住民に呼びかけることにしています。また、有機フッ素化合物の汚染源は米軍飛行場とみられるとして、日本政府や米軍に対して立ち入り調査や原因究明を求めていくとしています。
なお、これまでに沖縄のほかに横須賀基地(神奈川)、厚木基地(東京)、横田基地(東京)、三沢基地(青森)など全国各地の米軍基地内や周辺で同様の事案が確認されており、米軍あるところにフッ素化合物ありきといえそうです。