沖縄・玉城知事、「極めて残念だ」 新基地建設巡る県敗訴受けた会見で
名護市辺野古の新基地建設工事を巡る訴訟で、県の敗訴が確定した4日、県庁で会見に臨んだ玉城デニー知事は、建設断念を国に求める姿勢をあらためて強調したものの、今後の具体的な対応については「検討していく」と述べるにとどめました。
沖縄タイムスによりますと、玉城知事は午後6時29分、約50人の報道関係者が集まる県庁6階の会見場に入り、険しい表情のまま、「ハイサイ」と形式通りのあいさつを済ませると、あらかじめ用意されたA4用紙のコメントをはっきりとした口調で読み始めました。
「公平・中立な判決を最後まで期待していただけに、極めて残念だ」「憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねない」。玉城知事は、厳しい言葉の合間に顔を上げるたび、カメラのフラッシュを浴びました。
玉城知事の隣に座る県側代理人の加藤裕弁護士も、最高裁判決は高裁判決より後退した内容だと指摘し、「高裁は門の入り口に招き入れたが、最高裁は門外に追い払った」と憤りを見せました。
会見では報道陣から今後の県の対応を問う質問が集中しましたが、玉城知事はそのたびに資料に目を落とし、「判決内容を踏まえ、対応を検討してまいりたい」と同じ言葉を繰り返しました。
しかし、自身の公約や、辺野古反対の民意について聞かれると「判決で県民の意思が変わってしまうわけではない」「自分が辺野古新基地断念を求めるという意思にまったく変わりはない」と早口で返す場面もありました。
そして、「基地問題の解決の手法が全く閉ざされたということではない」と語気を強め、「対話による解決」を国に引き続き求めていく考えも強調しました。
会見は約30分に及びましたが、玉城知事は今後の対応については終始明言を避け、「(自らの)政治姿勢をどのようにして行政の判断と整合を取っていくか。この判断が知事の仕事にとって重要なのかなと思う」と、厳しい表情で締めくくりました。