イギリス首相の日本訪問
イギリスのメイ首相が、1日金曜、日本の訪問日程を終えました。イギリスのメイ首相は、3日間の日程で日本を訪問し、安倍総理大臣やそのほかの日本の政府高官と会談し、イギリスのEU離脱後における日本との安全保障上、通商上の協力拡大について話し合いました。メイ首相と安倍首相は、貿易から安全保障、文化まで、さまざまな分野で協力を拡大することで合意しました。
日本の最大の懸念事項のひとつは、イギリスのEU離脱が日本の企業の状況に深い影響を与えることです。この中で、安倍首相は、イギリスのEU離脱におけるプロセスの明確化を強調しました。
この懸念の一方で、安倍首相は、この会談で、日本とEUの通商協議は、イギリスのEU離脱後のイギリスと日本の経済・貿易合意締結のための足がかりとなるよう、強調しました。イギリスの政府関係者はEU離脱後の日本との貿易や投資を大いに懸念しています。日本にとって、EUとの経済関係や通商関係、特に自由貿易協定の締結は、優先事項であり、おのずとイギリスは二次的な存在になるからです。
日本は、世界最大の経済大国のひとつとして、国際貿易で重要な役割を果たしており、EUとの自由貿易体制の確立を国の目標のひとつにすえています。こうした中で、イギリスはヨーロッパ共通の市場から離脱しなければならないという事実に注目すると、EU諸国との貿易や経済関係が大幅に減少する今後の展望に直面しており、日本などのほかの国をEU諸国の代替としなければなりません。メイ首相は、懸念する日本の投資家を、イギリスのEU離脱で、イギリスが二次的な貿易相手国になることはないと説得しようとしています。ヨーロッパ問題の専門家であるモフィーディー氏によれば、メイ首相はEU離脱の大変複雑な状況を管理するために問題に直面しているということです。
そのほか、メイ首相と、小野寺防衛大臣などの日本の政府高官の会談で中心となったのは、安全保障問題、特に朝鮮半島危機の問題でした。メイ首相と安倍首相は、安全保障上の協力に関する共同宣言を出しました。この協力には、日本における軍事訓練へのイギリス軍の参加、2020年の東京オリンピックにおける軍事上、サイバー上の脅威に対抗するための協力が含まれています。
イギリス政府は、日本との経済上、通商上の協力拡大と共に、安全保障協力のレベルをも高めることを決定していると考えられます。忘れてはならないのは、イギリスはアメリカの戦略的な同盟国であり、アメリカの東アジアにおける干渉行為に注目すると、実質的にイギリスも、それを追求し、この地域で新たな安全保障上の役割を果たすことで、日本などの西側同盟国の政府と緊密な軍事的な関係を築こうとしています。実際、イギリスの新聞デイリーミラーは、8月の中旬に、アメリカがイギリスに対して、北朝鮮の重要な軍事施設の諜報のために、北朝鮮上空で偵察活動をするよう求めたことを暴露しているのです。