津波からの生存者が、「風の電話」に亡き人への思い語る
(last modified Mon, 08 Mar 2021 10:39:17 GMT )
3月 08, 2021 19:39 Asia/Tokyo

震災の犠牲者と遺族をつなぐ電話ボックス「風の電話」は、東京から北東に約500キロ離れた大槌町にある佐々木格さん(76)の庭園に置かれています。

佐々木さんは、2010年にいとこを癌で失ったことをきっかけに、震災の数カ月前、ここに電話ボックスを設置しました。

この電話ボックスには、今や日本中から大勢の人が訪れています。津波から生き残った被災者だけではなく、病気や自殺で親族を失った人もこの場所に立ち寄ります。「風の電話」と名づけられられた電話ボックスは、最近、映画の題材にもなりました。

佐々木さんは、被災者には悔やみきれない思いが残っていると話します;

「みんなあの日、朝仕事に行ったり、学校に行ったりして、そのまま会えなくなった」「家族もね、行ったきり会えなくなるのであれば、最後になんか一言ね、声をかけてやりたかったと思ったはずなんですが、それもできなかった」

佐々木さんのもとには数カ月前、同じような電話を英国とポーランドに設置したいという連絡が入りました。新型コロナウイルスによるパンデミックで親族を失った人々に使ってもらおうという趣旨によるもので、佐々木さんは、嘆き悲しむ人々が落ち着いて電話を使えるよう、プライバシーを守れる場所に同じような電話ボックスが作られることを願っていると語りました。

 

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