日本の厚労省がノババックスのワクチンを正式承認
日本の厚生労働省が、アメリカの製薬会社ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンの使用を正式に承認し、早ければ来月末にも接種が開始される見込みです。
日本の報道各社によりますと、厚生労働省は19日火曜、18歳以上を対象としたノババックスワクチンの使用を正式に承認しました。
米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカに続き国内で4種類目となるこのワクチンは、ファイザーやモデルナとは異なる仕組みで、厚労省はこれまでのワクチンでアレルギー反応が出た人などにとっても選択の幅が広がる、と想定しています。
また厚労省は、希望する人が接種を受けられるよう、都道府県に対しこのワクチンの接種会場を少なくとも1か所は設けるよう求めています。
このワクチンは、通常の冷蔵庫の中での保存が可能であり、副反応については治験ではほとんどが軽症だったということです。
なお、ファイザーとモデルナ製のワクチンについてはこれまで、EU圏内などで心筋炎や心膜炎などの副反応がまれに起こる可能性が指摘されているほか、英アストラゼネカについては血栓症リスクがあるとされており、各地で批判が出ていました。
接種方法は、1回目から3週間空けて2回目を接種し、さらに6か月以上たてば3回目の接種をできるようにする予定です。
このワクチンの使用に関しては、18日月曜に専門家部会で有効性と安全性を確認し、承認が了承されていました。
なお、このワクチンの国内の生産や流通は武田薬品工業が手がけることになっており、今後およそ1年間で1億5000万回分が日本政府に供給される契約で、早ければ来月末に接種が始まるということです。
これについて、後藤厚生労働相は、「海外からの輸出規制の可能性に備えてワクチン供給の安定性を確保するとともに、実績がある『組換えたんぱくワクチン』であることも踏まえ、ワクチンの種類の多様性を図るために、1億5000万回分を去年9月に購入した」と説明しました。
そのうえで「『メッセンジャーRNAワクチン』に対するアレルギーがある方に接種してもらうことを念頭に、来月下旬から6月上旬にかけて合計10万回分を配送することを自治体に示した。1億5000万回分のさらなる活用方法については、審議会における今後の議論の内容も踏まえつつしっかりと検討していきたい」と述べています。