中国アラブ関係「新局面」、習氏が元建て取引推進で米揺さぶり 
(last modified Sat, 10 Dec 2022 05:37:42 GMT )
12月 10, 2022 14:37 Asia/Tokyo

中国とアラブ諸国の関係が新たな局面を迎えつつあり、中国が国際体制における米ドル支配に揺さぶりをかけています。

ロイター通信によりますと、サウジアラビアを訪問中の習近平国家主席は9日金曜、中国・GCCペルシャ湾岸協力会議首脳会議で演説を行い、石油・ガス貿易の人民元建て決済を推進する姿勢を表明しました。

習国家主席は人民元を国際通貨として確立させ、世界貿易における米ドルの支配的地位に揺さぶりをかけた格好となっています。

習氏は、中国は今後も湾岸諸国から大量の石油を輸入し続け、液化天然ガスの輸入を拡大する方針を表明するとともに、石油・ガスの上流開発でも一段の協力を進めるパートナーだと述べました。

習氏の訪問に際し、サウジの事実上の指導者であるムハンマド皇太子はアラブ諸国との一連の「画期的な」首脳会議を開催した。西側各国とのこれまでの歴史的関係を超えたパートナーシップを模索する姿勢を示しました。

この日の会談の冒頭、ムハンハド皇太子は「中国との関係が歴史的な新局面」入りすると表明しています。

人権問題やエネルギー政策、ロシアへの対応を巡り米国との関係が冷え込む中、サウジと中国はともに「内政不干渉の原則」に関する強いメッセージを発信しました。

また両国は今回、複数の戦略的・経済的パートナーシップ協定に署名しており、今回の合意には中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との覚書が含まれています。

サウジとペルシャ湾岸諸国はアメリカから、中国との石油取引の制限や、ロシアとの関係遮断を迫られてきており、世界秩序が二極化する中、経済と安全保障上の両方を視野に入れたかじ取りを余儀なくされてています。

こうした点を踏まえ、中国とサウジは共同声明で、世界石油市場の安定とエネルギー協力の重要性を再確認するほか、石油以外の面でも貿易の促進や原子力の平和的協力の強化に努めることを明らかにしました。

米国は、西アジア地域での中国の影響力拡大に神経をとがらせています。

 


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