イランで、AIを活用した宇宙技術が開発
イランの宇宙分野の専門家が、「リモートセンシング(遠隔探査)分野における将来の大きな変革の一つは、衛星画像の品質向上のためにAIが幅広く使用されることである」と語りました。
【ParsTodayイラン】ここ数十年、イランは宇宙技術や遠隔探査衛星の開発に多大な努力を払い、この分野で注目に値する成果を挙げてきました。イランの宇宙技術と宇宙経済の専門家であるアフマド・ソレイマーニー氏はタスニーム通信とのインタビューで、「ここ数カ月間、多くの専門家や政策立案者の注目を集めた最も重要なテーマの一つは、国内の様々な産業におけるAIの本格的な活用である。その証拠に、イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師が最近の若手エリートらとの会談で、この分野の将来的展望を国の最も重要な優先事項の一つに挙げている」と語りました。
同氏はその上で、「人工知能は宇宙産業に一大変革を起こす可能性を秘めており、膨大な衛星データの管理と分析、衛星の正確な自動制御、宇宙ミッションの合理的な計画、打ち上げリスクの予測と軽減、探査・検知衛星での画像処理や自動ロボットの開発に重要な役割を果たすことが可能だ」としています。
イランは国際的な制限や制裁にもかかわらず、リモートセンシング衛星や探査衛星の開発で大きな成功を収めてきました。特に、今年9月14日に衛星運搬ロケット「ガーエム100」により打ち上げられた探査衛星「チャムラーン1号」は、イランの民間知識ベース企業および航空宇宙研究所の協力と参加を得て、IEI・イラン電子産業宇宙グループによって設計・建造されたものです。この出来事は、多数の海外メディアでも大きく報道されています。
また、高精度の画像処理機能を備えた最新のイラン製衛星のひとつに「ハイヤーム」があり、これにより天然資源管理、農業、環境変化の監視のためのリモートセンシングデータも利用できています。
2011年には衛星「ナヴィード」が打ち上げられ、国内技術を使用してイランの気候と植生の状況に関する重要なデータを収集しました。加えて、農業や環境の分野におけるリモートセンシング機能も備えた衛星「ザファル」は、自然災害やイランの環境状況の監視に効果的な役割を果たしています。
一方、現在開発中のプロジェクトのひとつに衛星「パールス1・2」があり、これらはマルチスペクトルデータの収集と画像撮影能力を有していることから、天然資源の管理の改善、環境の監視、イランの農業経済の支援において重要な役割を果たせると見られています。
より高い画像精度を備えたこれらの衛星は、イランが自給自足という形で資源を管理し、環境や気候の変化を監視する上で大きな助けとなります。