「我々は後退している」 イスタンブール市長逮捕後の危機をめぐるトルコ人アナリストの見解
-
トルコ人アナリストはイスタンブール市長逮捕後の危機をどう捉えているか?
トルコの裁判所が、同国の最大都市イスタンブール市長のエクレム・イマモール氏(54)の収監命令を下しました。
【ParsToday西アジア】トルコ野党の主要人物かつ、エルドアン大統領の最大の政敵でもあるエクレム・イマモール氏が今月19日、横領やテロ組織への支援などの容疑で身柄を拘束されました。トルコの裁判所は23日、イマモール氏を公判日まで拘留するけっていを下しました。
同裁判所は、汚職事件に関する捜査を理由にイマモール氏の収監命令を言い渡しています。
イスタンブール市長の逮捕・収監と時を同じくして、トルコ人アナリストらの間では、エルドアン大統領と同国与党・公正発展党(AKP)の権威主義的行動が国を破滅の瀬戸際に追い込んでいる、との見方が出ています。
世界におけるトルコのイメージ低下
トルコ人アナリスト、ムスタファ・カラリオグル氏はイマモール氏の逮捕について「トルコの国際的な評判とイメージは低下している。我々はあらゆる指標において衰退し、後退している。外国の投資家は我が国には来ない。しかし今、我々の問題はこうした言葉よりはるかに甚大だ。すでに後退している民主主義のうち、唯一の残された要素は国民の投票権だが、その重要性さえも薄れつつある。これがトルコを脅かす最大の危険だ」と述べています。
AKP党の記録に残る汚点
トルコの保守派アナリスト、エリフ・チャカル氏も「イスタンブール市長の逮捕はトルコの民主主義と法の歴史における汚点として刻まれるだろう」としています。
エルドアン大統領の戦略:トルコにおける危機の軌跡
トルコの著名なアナリスト、アリ・バイラモグル氏も「エルドアン氏の政党AKPの行動は進行性の病気のようなものだ」と強調し、「権威主義的な傾向、司法の絶対的な政治化、従順な社会の追求は、権力を維持するためのエルドアン氏の戦略であり、これがトルコを危機へと導く道だ」としています。