西アジア関連ニュース|イスラエルでネタニヤフ政権への抗議高まる/ガザで空中投下の支援物資に当たり死者相次ぐ
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イスラエルでの政権抗議デモ
イスラエルがガザ完全占領の計画を発表したことについては、イスラエル市民の間からも批判の声が高まっています。ハマスに捕らわれている人質の家族らは、この決定が人質の命をさらに危険にさらすとして抗議しています。
【ParsToday西アジア】イスラエルで広がる政権抗議活動、親政権メディアへの攻撃、イスラエル人ラビがマクロン仏大統領に殺害予告、ガザで空中投下の支援物資に当たり1人死亡など西アジア関連ニュースをお伝えします。
「死の内閣」――ネタニヤフ首相に人質家族が怒り
ハマスに捕らわれている人質の家族らは、ネタニヤフ政権によるガザ完全占領の方針決定について「政権は実質的に人質を殺す決断を下した」とし、ネタニヤフ内閣を「死の内閣」と非難しました。また、「終わりなき戦争を続けるための国民の支持は存在しない」と強調し、即時停戦と人質交換の実施を求めました。
イスラエル市民の怒り――大規模デモと親政権メディアへの攻撃
ガザ地区での危機が深刻化する中、数千人のイスラエル市民がテルアビブで戦争終結と人質交換を求めて街頭に繰り出しました。一部の参加者は、ネタニヤフ政権寄りとされるイスラエル13チャンネルのテレビスタジオを襲撃し、数名が警察に逮捕されました。
過激派ラビによるマクロン大統領への殺害脅迫とフランスの司法調査開始
イスラエルの過激派ラビがマクロン仏大統領を殺害すると脅迫した発言を受け、パリの検察当局が司法捜査を開始しました。
ユダヤ教ラビのダヴィッド・ダニエル・コーエン氏は、フランスがパレスチナ国家を承認する方針を示したことに反発して、マクロン大統領に名指しで殺害予告をしました。フランスのダルマナン内相はこの発言を強く非難し、司法機関とネット監視機関に捜査を指示したことを明かしました。ダルマナン氏はその上で、「この脅迫は反ユダヤ主義とは無関係であり、フランスの法律と国際社会に対する明白な侮辱である」と述べています。
ガザ空中支援がもたらす悲劇――死者と負傷者が続出
ガザ地区への人道支援物資の空中投下は、住民にとって有益どころか、これまでに多数の死傷者を出しています。ハマスおよび国際機関は、この支援手法を「効果がなく危険であり、人道的危機を悪化させるもの」と批判しています。
これまでに、空中投下された支援物資が原因で少なくとも23人が死亡し、124人以上が負傷しました。多くの物資はイスラエル占領下の地域や、住民が退避せざるを得なかった場所に落下しています。ハマスはこの支援手段を「飢餓と混乱の設計」と呼び、唯一の解決策は地上の検問所を開放し、食料、医薬品、医療機器の流入を可能にすることだと主張しています。
また、国際機関も「空中支援は効果的かつ安全な支援の代替にはならない」と警告を発しています。