軍拡競争に巻き込まれるアラブ諸国;軍事力競争から国内生産目指す努力まで
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地域的緊張の高まりと西アジア地域での紛争継続を受けて、アラブ諸国はこぞって費用のかかる軍拡競争に突入しました。
(last modified 2025-10-01T03:13:47+00:00 )
10月 01, 2025 12:10 Asia/Tokyo
  • アラブ諸国では軍拡競争が拡大
    アラブ諸国では軍拡競争が拡大

地域的緊張の高まりと西アジア地域での紛争継続を受けて、アラブ諸国はこぞって費用のかかる軍拡競争に突入しました。

複数の国際的な最新報告によりますと、西アジア地域のアラブ諸国は軍事予算を大幅に増加して主要な武器輸入国に仲間入りしたのみならず、軍事装備の生産に向けても大きな前進を遂げています。

【ParsToday西アジア】イルナー通信によりますと、スウェーデンにあるSIPRIストックホルム国際平和研究所の報告書からは、アラブ諸国が世界の武器輸入ランキングで上位に位置していることが判明しています。特にサウジアラビア、アルジェリア、クウェート、イラクの4カ国は、2024年の軍事費支出上位40カ国に名を連ねており、サウジの軍事支出は803億ドルでアラブ世界では1位、世界でも7位となっています。

この軍拡競争は、単に外的脅威への対処であるのみならず、テロとの闘いや国内治安の確保といった国内要因、特にアラブ諸国における広範な抗議活動を受けて、これらの国々が防衛力を強化する重要な動機となっています。

一方、地域諸国は、軍事装備品の地元化・国産化に向けた取り組みを強めています。特にUAEアラブ首長国連邦は、25社以上の企業を合併して設立された先端技術・防衛複合企業「EDGE」の設立で成功を収め、同社の軍事輸出による収益は実に21億ドルに達しています。

さらに、サウジは野心的な計画の実行により、2023年末までに軍事産業の国産化率を19.4%まで高めているほか、様々な国との戦略的パートナーシップを通じて兵器の生産と組み立てに取り組んでいます。

こうした戦略的転換を実証している国はこのほかにも広範な工業基盤を持つアルジェリア、軽兵器から軍艦まであらゆる装備品を生産するエジプト、そして既存の工業能力を活用するモロッコなどがあります。輸入から生産への段階的な移行は技術的な課題を伴うものの、アラブ諸国が国家安全保障の確保において対外依存を減らし、自立性を高めようとする真摯な決意を物語っています。

その一方で、これらの国々の経験は、兵器分野での自給自足達成が時間のかかるプロセスであり、また技術、国際的パートナーシップ、専門人材の育成への投資の質に左右されることを裏付けています。

 

 


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