イスラエル・メディア:「トランプ氏はノーベル賞のためにイスラエルを売った」
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イスラエル・メディア:「トランプ氏はノーベル賞のためにイスラエルを売った」
シオニスト政権イスラエルのメディアが、ドナルド・トランプ米大統領とパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスの停戦計画への対応に怒りを表明する一方でトランプ氏を嘲笑し、「ノーベル平和賞のためにイスラエルを裏切った」と報じました。
トランプ大統領が提起した20項目の停戦案に対しハマスが公式回答を示した後、イスラエルの政治・メディア界には困惑の波が広がっています。
【ParsToday国際】メフル通信によりますと、この困惑は主にドナルド・トランプ氏への批判、及びハマスの回答に対するトランプ氏の有頂天な様子への嘲笑という形で、ハマスにべったりのトランプ氏の様子を描いた風刺画の掲載により表されています。
最も有名なシオニスト記者の一人で、イスラエル第12チャンネルTV及びアメリカの新興メディア・アクシオスの特派員であるバラク・ラビド氏は「ネタニヤフ・イスラエル首相は、トランプ大統領の反応を予想していなかった」と明らかにしました。
イスラエル公共放送KANも「イスラエルの信頼性を毀損している」としてトランプ氏を非難しました。しかし、こうした中でイスラエル政府は現時点において「ハマスの対応は受け入れられない」とは言えないのが現状です。
一方、イスラエル最大のポータルサイト・WALLAの軍事担当記者アミール・ボフボト(Amir Bohbot)氏は、ハマスの行動を「心理戦」であり「アメリカとイスラエルのコートにボールを投げ込む行為」と評しました。
アナリスト兼ジャーナリストのイスラエル人、ノアム・アミール(Noam Amir)氏も、ハマスの対応がトランプ大統領のコートにボールを投げ込んだと考えています。これはイスラエルの第14チャンネルTVの記者も同様に指摘している内容で、トランプ大統領はイスラエルに対しガザ地区への攻撃停止を公に呼びかけた後、「ハマスの声明という罠」に陥った、とされています。
このため、イスラエル第13チャンネルTVの記者は「ハマスは最近の出来事で勝利を収め戦場から引き揚げた」と表現しました。
また、イスラエル紙イディオト・アハロノトのウェブサイトは、トランプ氏がハマスの反応に有頂天になっていることに怒りを表明し、「トランプ大統領はノーベル平和賞の受賞と引き換えにシオニスト政権を売り渡した」と報じています。
イスラエル第12チャンネルTVの政治担当記者、アルモグ・ボーカー(Almog Boker)氏は、トランプ大統領の計画とハマスの対応の間には矛盾があると指摘し、「トランプ大統領の計画では国際部隊の設置に言及されている一方、ハマスはパレスチナのテクノクラート(政府の影響を十分に考慮しようとしない進歩的官僚)による政府について語っている」との見解を示しました。トランプ大統領の提案は72時間以内に捕虜全員の釈放を求めていますが、ハマスの対応では、捕虜釈放の条件としてイスラエル軍のガザからの撤退を求めています。また、トランプ大統領はハマスの武装解除を求めていますが、ハマスは公式声明ではこの条項について反応を示していません。
KANのもう一人のシオニスト特派員、スレイマン・マスワデ(Suleiman Maswadeh)「ハマスは実質的な行動では、トランプ大統領の計画を受諾するとは答えておらず、その条項のほとんどについて交渉を求めている。ハマスはトランプ大統領の要求に反して、ガザ地区の武装解除や武器の放棄を拒否している。さらに、トランプ大統領はイスラエルを窮地に追い込んでおり、イスラエルは今さらハマスの対応を受け入れられないとは言えない状況になっている」との見解を示しました。