サムスン製スマホにイスラエルのスパイウェア 広がる懸念
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サムスン製スマホにイスラエルのスパイウェア 広がる懸念
ガザの人道的危機が深刻化する中、韓国サムスン製のスマートフォンにイスラエルのスパイウェア「AppCloud」がインストールされていることが分かり、セキュリティに関する懸念が広がっています。
【ParsToday西アジア】レバノンのデジタルセキュリティ企業「SMEX」によると、サムスン製のGalaxy AシリーズやGalaxy Mシリーズなどに、イスラエル製の「AppCloud」というアプリがプリインストールされているということです。このアプリは製品にあらかじめインストールされており、ユーザーは完全に削除することができません。
AppCloudは、イスラエルの企業「IronSource」によって開発されたもので、ユーザーの位置情報、IPアドレス、端末の指紋などにアクセスする権限を持っており、明確な同意やプライバシーポリシーの告知がないままこれらの情報にアクセスできる仕組みとなっています。
イスラエルのネタニヤフ首相が以前、「誰でも携帯電話を持っていると、その人はイスラエルの一部を持ち歩いていることになる」と発言していたこともあり、今回の事実は様々な波紋を呼んでいます。
デジタルセキュリティの専門家は、AppCloudはスマートフォンのOS(Android)に深く組み込まれており、設定を通じて一部無効化することはできても、完全に削除するにはルートアクセス(Rooting)が必要となり、それにより端末の保証が無効化されるとしています。このような機能は、特に戦争が続く地域においてユーザーの監視に重大なリスクを伴うとされています。
ガザでは、10月の停戦成立後に異常に多くのスマートフォンが流入した経緯があり、これらの端末の本当の目的について様々な憶測が広がっています。
パレスチナのシャハブ通信は、ガザ向けの電子機器や避難用テント、建設材料の搬入制限が続いている中で、スマートフォンだけが大量に流入しているのは、これらの端末がスパイ活動や破壊工作に使われる可能性があるという見方を紹介しています。これは、2024年にレバノンで発生した無線機(ポケベル)の爆発事件と類似しており、この事件では数百人が負傷しました。
SNS上では、これらのスマートフォンが時限爆弾と呼ばれ、イスラエルが何の利益もなしにスマートフォンの流通を許可する訳がないという声が上がっています。

