幹部暗殺後の対イスラエル復讐に向けたレバノン抵抗組織の選択肢は複数
-
レバノン抵抗組織ヒズボッラーによるイスラエル政権への復讐には複数の選択肢
レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーのトップ、ハイサム・アリ・アル・タバタバイ氏がシオニスト政権イスラエルに暗殺されたことで、同政権とレバノン間の戦争状態は新たな段階に突入しています。これに関して、イスラエル政府側はヒズボッラーの反応として考えられる4つのシナリオへの恐れから警戒レベルを上げました。
イスラエル軍ラジオの軍事特派員ドロン・カドシュ(Doron Kadush)氏の話では、複数の指標・評価によればヒズボッラーには現在、以下のような4つの選択肢があるということです;
1- イスラエル占領地内奥への大規模なロケット弾攻撃。このため、北部の軍事システムの即応態勢が強化された。
2- 占領地またはレバノンにおけるイスラエル軍の陣地への侵入。
3- 対イスラエル攻撃に向けたイエメン・イスラム抵抗組織アンサーロッラーの挑発。4- 直接的な反応を示さず、軍事力の再構築を継続。
カドシュ氏は同時に、イスラエル軍が「ヒズボッラーを弱体化させるの新たな段階」に備えており、ヒズボッラーの力の回復を防ぐためレバノンでの攻撃を継続するだろう、との見解を示しました。
イスラエルの抱える問題
シオニスト政権が日々レバノン領土を攻撃しているにもかかわらず、ヒズボッラーはここ数ヶ月で勢力の再建に成功しています。イスラエルの新聞イディオト・アハロノトの軍事アナリスト、ヨアブ・ザイトゥン氏はこの点について「昨年、イスラエル軍は21の村で空爆と約1200回の地上作戦を実施したが、ヒズボッラーの勢力強化を阻止できなかった。これらの作戦には、公然かつ秘密裏のパトロール、待ち伏せ攻撃、インフラの破壊が含まれており、毎日3~5件の攻撃がレバノン国境から3~5キロメートル入った内奥地帯で行われた」と語りました。
ザイトゥン氏はまた「イスラエル政権が先制攻撃を仕掛けた場合、ヒズボッラーはイスラエル最大の港湾都市ハイファと主要都市テルアビブを精密ミサイルで攻撃し、占領地北部のガリラヤやそのほかの戦略目標に向けて爆発性無人機を飛ばしてくる可能性がある」と警告しました。加えて「ヒズボッラーは多くの上級司令官を失った後も、依然として十分な兵器を保有している」と強調しています。
復讐を訴えるヒズボッラーの若手指揮官ら
この点について、イスラエル・ハイファ大学の西アジア情勢専門家アマツィア・バラム氏はシオニスト系新聞マアリヴに対し「最大の問題はヒズボッラーがどのように反応するかだ。ヒズボッラーのカセム事務局長は、若手指導者たちが激しい反撃を呼びかけている中、自制政策を継続できるかは疑問だ」と述べました。この西アジア情勢専門家によれば、ヒズボッラーの選択肢は以下の通りとされています;
1. 反応せず、軍事復興に注力
2. レバノン南部にあるイスラエル軍の拠点を攻撃
3. イスラエル占領地境界線地帯の入植地を攻撃

