10月 31, 2017 23:05 Asia/Tokyo
  • アスタナ協議
    アスタナ協議

シリア問題に関する7度目のアスタナ協議は、30日月曜と31日火曜、イラン、ロシア、トルコの代表団とシリア政府の代表が出席して開催されます。イランからは、外務省のジャーベリーアンサーリー・アラブ・アフリカ担当次官が率いる代表団が、この協議に出席します。

この協議は、シリア危機の政治的な解決という戦略に基づき、2016年12月20日のモスクワにおけるイラン、ロシア、トルコの外相会議で得られた合意に沿って、この3カ国の支援により、追求されています。この協議は、次の3つの点から重要なものとなっています。

まず、この協議は、地域の外交を強化するものであり、テロとの戦いと平行し、シリアのラッカをはじめとする戦略的な地域の解放の後、シリア危機の解決に向けた包括的な協議の土台を整えています。

第二に、この協議の重要性は、シリア政府と話し合う条件を持つグループが、アスタナ協議の流れに加わることにあります。

第三に、トルコがアスタナ協議に同調し、シリア危機の解決を促すための地域の外交の輪が完成していることです。

アスタナ協議

 

こうした中、アメリカが、この流れの中でどのような役割を果たすのかは明らかではありません。カザフスタン外務省は、声明の中で、今回のシリア和平協議にアメリカ国務省の近東関係問題担当のデービッド・サッターフィールド副次官が出席することを明らかにしました。

 

明らかに、アメリカは、シリアの戦場における現状を無視することはできませんが、それを、シリアへの影響力を高めるための土台にしようとしています。アメリカのダンフォード統合参謀本部議長は、5月21日に次のように語りました。

 

「アメリカ国務省が主導し、シリアのラッカが占拠された後、機能的な現地の統治体制を生み出すような組織を作ろうとする動きがある。この組織は、ラッカ出身のアラブ人の指導者を持つことになり、我々も、地元の兵士で構成された治安部隊を創り、ラッカ占拠後にこの町の状況を安定させることになる」

 

現在、アメリカ主導の対ISIS有志連合は、ラッカの人々への支援を口実に、シリアに新たな基地を作り出そうとしています。ロシア上院国防委員会のフランツ・クリンツェビッチ副委員長は、このアメリカの決定に対し、「莫大な資金をラッカに、それもこれほど迅速に費やすことは、有志連合がシリアでダブルスタンダードを追求していることを示す一例である」と語りました。

また、「ここで問題なのは、爆撃に関する目撃情報を隠蔽しようとする動きだけでなく、ラッカをシリアの新たな拠点にしようとする動きである。これが、ラッカに資金が費やされていることの真の目的である」と強調しました。

アメリカのトランプ大統領は、声明の中で、ラッカの解放は、新たな段階の始まりだとし、「アメリカ政府は、シリア危機の解決に向けた外交的な協議を支持する」と主張しました。

シリアのISISとの戦いで得られている勝利により、シリア問題は現在、政治協議の新たな段階に入っています。しかしながら、アメリカとサウジアラビアは、声明の中で、アスタナ協議の結果を支持したように、実行の段階でも、この合意を受け入れるのでしょうか。

 

 

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