カナダ政府、「ローマ教皇の先住民族への謝罪は不十分」
7月 28, 2022 19:50 Asia/Tokyo
カナダ政府は、同国カトリック教会による先住民児童への虐待問題について、ローマ教皇による謝罪は不十分との認識を示しました。
カナダでは、1874年から1996年にかけて、15万人以上の先住民の子どもたちが家族から引き離され、カトリック教会が運営する寄宿学校に送られました。
これらの子供たちの多くはこの寄宿学校で、自分たちの母語を話すと殴打されたうえ、十分な食事も与えられず、性的虐待を受けるなどの扱いを受け、TRC・カナダ真実和解委員会はこれを文化的ジェノサイドと認定しています。
これらの児童は後に、寄宿学校を「死の学校」と振り返っており、人権擁護をうたうカナダにおける恐ろしい犯罪の実態を告発しています。
この問題は、昨年にカナダ西部ブリティッシュコロンビア州の学校跡地から215人の先住民族の子供の遺体が見つかったことで、再び注目を集めることになりました。それ以前の2018年には35の墓が、2012年にも2つの墓が見つかっています。
こうした中、ローマ教皇フランシスコは25日月曜、カナダを訪問し、一連の事件へのカトリック教会の関与を謝罪しました。
米ワシントン・ポスト紙によりますと、カナダ政府は今回のローマ教皇の謝罪を十分なものとは認めていません。カナダ政府のこのような公式反応は、ローマ教皇がトルドー首相やカナダ総督のメアリー・サイモン氏らと面会するためにケベック入りした中で出されました。
ローマ教皇は27日水曜、カナダ政府高官を前にした演説で、再度謝罪するとともに、寄宿学校について「痛ましいこと」としました。