米NY市がサル痘急拡大で緊急事態宣言、米主要都市では2例目
米ニューヨーク市当局が、「サル痘」の急拡大により公衆衛生上の緊急事態を宣言しました。
サル痘は、天然痘に似た皮膚に発疹ができる病気で、ごくまれに死に至る可能性もあります。初期の感染事例は、同性愛者および両性愛者の間で確認されていました。
米CNNによりますと、米ニューヨーク市当局は30日土曜、天然痘に似た感染症「サル痘」の流行で同市がニューヨーク州内の中心地になっているとの認識に基づき、公衆衛生上の緊急事態を宣言しました。
アダムス・ニューヨーク市長とバサン保健精神衛生局長は共同声明で、市内に住む約15万人が現在、サル痘感染の危険にさらされている可能性を指摘するとともに、全米、世界規模の緊急対策が必要だと主張し、宣言は現状の深刻さを反映していると述べました。
これに先立ち、ニューヨーク州のホークル知事は29日金曜、米国内のサル痘感染者の4分の1以上が同州内で確認されているとして、緊急事態宣言を出していました。
市単位での宣言は、今月28日のカリフォルニア州サンフランシスコ市に続く2例目となり、同市の宣言は8月1日に発効します。
一方、米連邦政府は国内の状況を見極めたうえで、緊急事態宣言を出すかどうかを判断するとの立場を維持しています。
アメリカ国内での累計の感染者数は29日金曜時点で5189人となり、スペインを上回り世界最多となっています。
なお、サル痘をめぐっては、WHO世界保健機関が今月23日、公衆衛生上の緊急事態を宣言しました。
ちなみに、WHOの最新統計によりますと、これまでに78か国で1万8000人以上がサル痘に感染し、アフリカで5人、ブラジルとスペインでそれぞれ1人ずつ、サル痘感染による死亡例が報告されています。